福島県の富岡町から常磐線の特急ひたちに乗り込んで、最終目的地である仙台へとたどり着いた。
仙台へ向かう車中では、田んぼに映る特急の影を見ることが出来た。
さて、仙台に到着した時刻は17時25分。夕ご飯を食べるには丁度良い時間ではある。
せっかく仙台に着いたのだから、仙台で名を馳せるご飯を食べたいと思うのは必然。
調べれば出てくる出てくる。牛タンだ、マーボー焼きそばだ、せり鍋だ、ずんだだ、と色んな物が出てくるが、今回選んだのは「HACHI」である。
HACHIとは
HACHI(ハチ)とは仙台で有名な老舗洋食屋さん。1979年に創業者である角田昭八さんが仙台市の隣である名取市で洋食屋を開業。それが現在へと繋がっている。
そんなハチの主力商品はハンバーグとナポリタンである。
ハンバーグはご飯に合うハンバーグ、「黄金比率ハンバーグ」が大人気。
次にナポリタン。HACHIのナポリタンは2013年に大手食品メーカーのカゴメ主催のナポリタン日本一を決める大会「ナポリタンスタジアム」で見事に日本一になっている。
その2つの主力を悪魔的フュージョンをさせた「ハンバーグ ナポリタン」なるものが更に存在する。ロボットアニメなら複数のロボットが合体して更に強くなっちゃう的なやつだ。
そこまで言われたら食いたい。でもね。。。
そんなにお墨付きがあるような料理。食いたいっすねぇ。と思いながら仙台駅に到着し、ハチへ向かう。
ハチは仙台近郊に店舗を構えているが、仙台駅の構内にも1店舗存在する。
「ハチ 仙台駅店」は東北新幹線の南口改札口すぐ横という場所にある。
急ぎ足で改札を通り抜けて店舗を探す。
駅構内で急にレトロな雰囲気が漂い始めたと思えば、そこが「ハチ 仙台駅店」だった。
今では少なくなったような気がするショーケースに入った食品サンプルがあったりと懐かしい雰囲気を感じられる。
ただ、ここでとある問題を見つけてしまう。
並んでいるのである。人が。
場所柄、東北新幹線を利用する人がついでに寄っているのだろう、スーツを着込んだ人、大きめのリュックサックを背負っている人、そんな人達の列がハチの壁際に並んでいる。その列の先は駅ビルの入口近くまで伸びている。
いやぁ、並ぶのはきついぞぉ。
時間的にもしょうがないのである。食事を摂るに絶好の時間である。場所柄もまた東北新幹線の改札口真横。東京方面へ向かう人達が夜には絶好の場所である。
いやはや、どうしたものか。
ただ、食いたい気持ちは抑えられない。
なら、どうするか。別店舗へ向かうしか方法はないのだ。
仙台駅から長町駅へ
ハチの仙台駅店以外に店舗はあるのか。
調べてみると、長町店が浮かび上がった。
長町店はJR・仙台市営地下鉄の長町駅にある。
長町駅まではJRであれば4分、仙台市営地下鉄でも8分程度。
時刻は17時40分。帰宅ラッシュは始まっている時間ではあるが、少しでも混雑を回避し確実に食べるためにも行動を開始することに決めた。
仙台市営地下鉄を一度も利用したことがないことに気付いて、今回は仙台市営地下鉄で移動した。
運賃は仙台市営地下鉄だと250円。JRだと190円。60円の差が生じるが、ラッシュ時間帯となるとJRの方が遠くまで乗る人が多いからか混雑具合が強い気がする。それに比べれば少しだけ、仙台市営地下鉄の方が混雑に落ち着きが見える。
駅に到着したのは17時50分。
また急ぎ足で店へと向かう。
長町店は空いて…?
ハチ 長町店はJRと仙台市営地下鉄の改札から少し遠く、入口は奥まった所にあった。
JRが運営する「tekuteながまち」というショッピング施設の中に長町店がある。
スーパーマーケットの中へ入り奥の奥へと向かうと店の入口がやっと顔を出す。
注目点の人の混みようだが、仙台駅店のような長蛇の列は無かった。
入口近くに名前を書くボードが設置されていて、そのボードに注目すると待っているのは二組。内容もまた3人、5人という人数だ。
自分の名前を書いて、近くに用意されている椅子に座ると一組目が呼ばれた。
そして数分後に二組目が呼ばれたが、「5人席を準備するのに時間が掛かる」という断りがあって、順番が前後して自分が呼ばれた。
この間に掛かった時間は10分も満たない。仙台駅店の混雑を考えればショートカット、混雑は回避できたと思える。
食べる!
座席は窓側の席に通された。JRの線路下にある店舗のため、少し列車の走行音が聞こえたが気になるほどの音量ではない。何ならそれが妙に心地良い感じがした。
今回は「ハンバーグ ナポリタン」を頂くことにした。お値段は2000円也。仙台駅店と長町店の値段は変わらない。
料理を待っていると水を提供された。ボトルに入っている。
ラーメン屋みたいにピッチャーに入っていたり、大量の氷と一緒に出てくるような冷水機からの提供ではない。THE洋食屋という雰囲気を感じる。
金曜日の18時ということもあってか子供連れが多いような印象だった。ナポリタンのソースが掛かっただとか、アイスが食べたいだとか賑やかだった。
注文をして10分程度経過して自分の眼の前に「ハンバーグ ナポリタン」が登場した。
見た目はそのまま、「ナポリタンの上にハンバーグ乗ってますわ」。
さてハンバーグを食べる。黄金比率ハンバーグという名で売り出してるものだ。
ナイフをグッと入れ込むと肉汁がナポリタンへ流れ出ていくのが見えた。肉汁だ!と心の中で叫ぶ。
そして、口に含む。
うめぇ….
肉感が強い。それでも柔らかさを感じる。そして、仄かに感じる香辛料もまた良い。
うめぇ….うめぇ….
次にナポリタンであるが、たかがナポリタンだろう!?と思いながらフォークでスパゲッティを巻いていき、口に含む。
あー良い酸味ですこと…
ソースが美味いんすかねぇ…麺もまた太麺で食べごたえがある。エビやピーマンも良い、全部良い!。
少し食べ進んで店員さんが料理と一緒に持ってきてくれたものに手を出す。
画像右にある透明な瓶の中に入ったもの。それは粉状のもの。みんな大好き!粉チーズである。
よく見かけるプラスチックに入ったものではなく、スプーンですくい上げるという自分の中では経験をしたことがない、無限粉チーズが目の前にある。
その粉チーズを気持ち大盛りスプーン3杯分かけ、ハンバーグとナポリタンを食う。
はー。うめぇ。
ハンバーグにチーズが足されて圧倒的肉感が更に増幅する。ナポリタンは酸味が薄まってチーズが優勢になり、味のステージが一つ上がる。
うめぇ…うめぇ…と思いながら20代後半に差し掛かった淋しい男は食い続ける。
もうハンバーグ、ナポリタン両方ともに一口程度となってしまった。久々に食事で虚しさを感じる。
自然と窓の向こうを見る。知らない町並みを眺め、知らない人が通っていく。あー自分は旅行してんなぁ。こういう知らない町で新たな発見をするのが好きなんだなぁと思えた。
ごちそうさまでした
頂いた「ハンバーグ ナポリタン」大変美味しゅうございました。
もし、仙台に来る機会があったなら一度寄ってみることをおすすめしたい。
ハチでは「大人様プレート」なるものやナポリタン以外のスパゲッティもあるので、開拓してみたいものだ。
そしてオンラインショップもあるのでチェックしてみるのもいいだろう。
更に長町店はハチの店舗で唯一の座席予約が可能である。テラス席もあったりするので検討してみるのも良きかな。
ちなみに
さて、食事を終えたならばホテルへ戻る必要が生じるわけで、仙台駅へ戻ることになる。
時間にして19時半ごろ。仙台駅店を少し見てみることにしよう。
東北新幹線の改札口近くは混雑していたが、ハチの前にあった行列はとっくに解消されていた。
あれっ、あの行列がいねぇぞ?と思って調べてみると、ハチの仙台駅店は回転率が少々良いようだ。
混雑回避をして1つ隣の駅へ交通費を払ってまで食いに行くか、粘り強く行列に並ぶか。それがどちらが正解かは人それぞれ、混雑を回避してでも食いたい部の研究はまだまだ続きそうだ。