「室井慎次 生き続ける者」を見てきた

「室井慎次 生き続ける者」を見てきた

2024年11月23日

踊る大捜査線の人気キャラクターである「室井慎次」を主人公に、前作「室井慎次 敗れざる者」より約1ヶ月が経過していよいよ後編が公開。

12年という沈黙から戻ってきた「室井慎次 敗れざる者」を見てきた
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というわけで、今回は「室井慎次 生き続ける者」を見てきたのでまとめてみよう。

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概要

前作の「敗れざる者」は公開初日からの3日間で動員が25万人、興行収入も3億円を超えるという踊る大捜査線の根強いファンや注目度が高かったことが伺えるような情報があるなかで、いよいよ11月15日に後編が公開となった。

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一部映画館では15日よりも1週間早く先行上映が行われるという異例の扱いもあった。

これは洋画とかであれば、公開日の0時丁度に最速公開という扱いで公開されることもままあるが、邦画で且つ続編モノという作品であるにも関わらず先行上映という好待遇。

これは前作と踊る大捜査線が積み上げてきたファンの熱量が生み出した結果とも言える。

前編「敗れざる者」の評価

後編を見る上で大切なことは何か。それは前編を見る必要があることだ。

このページに辿り着いてくれたあなたなら、前編をご覧の上で漂流してきたとは思うが、「前編は見る予定は無いけど、後編は興味がある」という思いをお持ちの方がいらっしゃっている可能性も無くはない。なので、前編についての評価を見ていこう。

映画レビューサイトである映画.comでは11月23日現在、350件のレビューが集まって3.6という数値。

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同じくレビューサイトのfilmarksでは11月23日現在、6,297件のレビューが集まって3.7という数値を記録している。

前作を評価するポイントとして上げられるのは、「12年近いブランクから帰ってきた踊る大捜査線の続編」であること。また、「踊る大捜査線の新たな展開」が期待されていること。この2点が重くのしかかっていた。

この評価を覗き見てみると、「賛否両論」という言葉以外に思いつかないほどいろんな評価が渦巻いている。

賛否両論の「賛」よりの人は、踊る大捜査線の続編として観覧し、室井慎次という人物の新たな展開を見れたこと自体を評価しているような傾向にある。

逆に「否」はというと、過去上映されてきた踊る大捜査線のイメージから「敗れざる者」はかなり逸脱していて、続編ありきの風呂敷広げられまくり(伏線回収なし)で結論が無いということに少々難色を示している。そんなところだろうか。

もちろん、それらの評価は「敗れざる者」だけで完結するわけではなく、後編も含むと大きく変動することには注意が必要ではある。

ただ、前編の公開時点では「思っていたのと違う」という人も少なからずいる。ということも注目したい。

あらすじ

警察を辞めて故郷の秋田に戻り、事件被害者・加害者家族の支援をしたいという思いから、タカとリクという2人の少年を引き取り、暮らしていた室井慎次。しかし、彼の家のそばで他殺死体が発見され、さらにかつて湾岸所を占拠した猟奇殺人犯・日向真奈美の娘だという少女・日向杏が現れたことから、穏やかな日常は徐々に変化していく。かつての同僚であり今は秋田県警本部長になっていた新城に頼まれ、警視庁捜査一家の若手刑事・桜とともに捜査に協力することになった室井。そんな彼のもとに、服役を経て出所してきたリクの父親が訪ねてくる。

映画.comの「室井慎次 生き続ける者」ページより引用

とにかく見る

「敗れざる者」と本広克行監督・主演の柳葉敏郎さんには変わりがないので、早速ではあるが感想へと移っていこう。

後編は自宅横にある車庫が何者かによって燃やされてしまい、というところから始まる。また前編で発生した自宅付近の死体遺棄事件についても誰が犯人か明確にされないままとなっている。

更に、一緒に暮らすリクの元に父親が訪ねてくるという展開も発生。前編で広げられた風呂敷を百貨店の店員さんが購入した商品にラッピングするスピードのように、ものすごい勢いで話の回収作業が始まっていく。

話が進んでいくと、途中で日向杏の母となる猟奇殺人犯である日向真奈美が登場してくる。

ここでは前編では踊る大捜査線の映画2作目が大きく話に関与してきたが、今作では映画1作目が関与する印象が強かった。

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なんだか嫌な雰囲気がする

今回、後編の中盤に差し掛かって気付いた。なんだか乗り気に慣れていない自分がいた。それは話の掘り下げ具合が、少し弱いのではないかな?というところにある。

前編では以下の展開となった。

室井慎次が警察を辞めて秋田へ→秋田の自宅では子どもたちと暮らしている→そこで死体遺棄事件発生→過去の犯罪者の子どもがやってくる→町に警視庁の捜査本部がやってくる

という展開だった。これ以上記述すると前編のネタバレになってしまうので控えるが、話の展開が四方八方に広げられて、あの話どうなるの?という興味を惹くことが出来ていたように思える。

しかし前編とは異なり、後編は広げた話を回収する必要がある。特に死体遺棄事件と殺人犯の子どもの杏を室井慎次はどうするのか。書ききれない程の気になる話・ポイントがある。

それらを踏まえると、、、、、、、、後編は少々乱雑に話が進んでいるような印象を受けてしまった。

死体遺棄事件が発生したことで、町に大量の防犯カメラが設置される。死体遺棄事件の犯人は踊る大捜査線の映画2作目の犯人グループであったことがわかって。という展開で前編が進んでいったわけだが、防犯カメラの扱いや犯人グループを探し出すことの淡々さ。これがどうも、もったいないような….と思ってしまった。

更に登場人物たちの深堀りを同時進行にする必要がある。それらを深堀りするために、話の転換点が必要になるが、どうしても作品内で起きる出来事が突発的というか作為的に見えてしまう。

そう思い始めてしまうと人間戻れなくなるもので、話の展開よりもストーリーの先を想像してしまって映画に身が入らなくなってしまった。どうせ、こうなるんでしょう?とか変に捻くれた見方をしてしまう。

そして、嫌な感じがするなぁ。とも思ってしまった。

あーやっぱりこうなったか

まぁ、結論から言うと。踊る大捜査線の今後は大丈夫なんだろうか。という最後であった。なんだか、ここに来てあんな終わり方で良いのだろうか。とも思ってしまった。

しかし、室井慎次を演じてきた柳葉敏郎さんの立場を振り返ってみれば、こういう終わり方も許容できる。

前回のレビューでご紹介した内容に、「殉職させてほしい」とまで思わせるほどに室井慎次という役は難しかった。というのがあった。

12年というブランクからもう一度、室井慎次という役に入り込む難しさ、期待に応える難しさ。それらを考慮すれば今回の終わり方も1つの良案だったと言えるかもしれない。

ラストを受けて上映中にすすり泣く人もいた。確かに人気キャラクターがこうなるとは(想像はついていたけども)、確かにショッキングだよなぁ。

ただ、まぁ。もう少し、上手く出来ませんでしたかなぁ。という思いは否定できない。すすり泣く人の音を聞きながら、多分真顔だったと思う。

最後に

今回は、まぁ面白いよ。というところだろうか。

室井慎次の生きる様、踊る大捜査線の新たな展開が気になる人にはオススメである。

最後に、このページに辿り着いてくれたあなたは「エンドロール」が流れたら帰る派だろうか?もしそうなら、今回は少し踏みとどまるのをおすすめしたい。作品はまだ続いているのだから。