広島を訪れて作った「広島シリーズ」の記事はこちらからどうぞ↓
このページをご覧のあなたに問いかけたい。
旅行をした際、食事はどうされていますか?
口コミサイトや地図アプリを使って地元の名店を探し出す。目ぼしいところを見つけ出し、予約なりをして、探し出した店で食事をする。
まぁこんなところか。
私はというと、「せっかくの旅行なんだが、食事がとても面倒」になる時がある。
お断りしておくが、旅行は好きなんだ。知らない街に行って、知らない道を歩いて、知らない人とすれ違う。その時間がとても楽しいのだ。
しかし、だ。「店探すのだりぃ」となる時がある。
今回の記事は、「食事の店を探すのがだるくなって、コンビニ飯、しかもポプ弁を見つけ興奮して、それで済ませる男」の話である。
どうぞ、嘲り笑っていただきたい。
ホテルへ戻る途中
用事が済んだと思えば、広島の空は漆黒の闇。とっくに夜の8時を過ぎていた。広電の路面電車を降りると寒空から降り注がれる寒風が自分の芯を冷えさせる。停留所に立ち、横断歩道が青に変わるのを待っている。ここでとある問題が発生する。
腹が減った。
用事がいつ終了するかも見当がついていなかったため、夜ご飯を頂く店を探していなかった。
ここからグルメ漫画であれば、「どこかいい店でもないかなぁ・・・」と探し出すのが常だろう。それもまた旅行的だと思うが、私の中には「店探すのめんどくせぇ・・・」という思いでいっぱいだった。
せっかくの広島。美味しい食事はいっぱいあるだろう。
広島市内の多くが沿岸部に接しているから牡蠣や鯛めしが上手いらしい。
尾道ラーメンとかも上手いらしい。
後は、広島風お好み焼とかか。
ただ、広島風お好み焼きは当日の昼に食べてしまっている。うーん。どうしたもんか。
*いや、広島県民の皆さんごめんなさい、わかりやすく「広島風」と書いただけですよ。僕は広島のお好み焼きが「お好み焼き」だと思ってますよ。大阪のお好み焼きなんてお好み焼きじゃないですもんねぇ。あんなの混ぜ焼きですよねぇ。ねぇ?怒らないでくださいねぇ。大丈夫ですか?続けますよぉ?
仮に広島が誇る食事を求め店を見つけたとしても、この日は土曜日。混雑は著しいだろう。
前回このサイトで「混雑を回避してでも有名店で食べたい」というテーマで記事を投稿した。
混雑は落ち着きがなくて苦手だ。混雑しているとわかりきっていると、食事に向かうのが億劫となる。そんな思いを抱いている中、平和大通りをトボトボと歩いているとコンビニのローソンを見つけた。
飲み物でも買うか。と店内へ入ると、見つけてしまった。
「ポプ弁」が売っていたのだ。
コンビニの「ポプラ」を知ってるかい
あなたは、コンビニの「ポプラ」をご存知だろうか。関東や関西といった大都市圏ではあまり馴染みがないコンビニである。
日本のコンビニ業界は主に大手3社(セブンイレブン・ファミリーマート・ローソン)が90%以上のシェアを占めているという寡占市場。
その荒波激しいコンビニ業界で静かに生き長らえているのが「ポプラ」である。
全国出店ランキングを見てみると、北海道を中心に展開するセイコーマートやイオン系列のミニストップ、デイリーヤマザキやJR東日本の駅で見かけるニューデイズよりも下にポプラがある。お世辞にも上位に位置しているとは言い難いコンビニだ。
そんなポプラ、本社は広島にある。広島を中心に中国地方・山陰地方では大手3社と張り合うほどの強力な基盤を築いている。
現在はローソンと提携し、従来のポプラから「ローソン・ポプラ」というブランドへ移行、今回訪れた広島市内でも多くのローソン・ポプラが存在する。
ここまでご覧になって、「たかが普通のコンビニじゃねぇか」「何を興奮しているんだこの独り身寂しバカは」というツッコミをする方もいらっしゃるだろう。
確かにその思いは理解が出来る。というか正論はいらない。傷つくから。それでも私は、「ポプラのアレを食べてみたい」と長らく思っていたのだ。
たかが普通のコンビニでありながら、そこまでの思いを募らせてくれたのはアレというのが、
「ポプ弁」である。
ポプ弁をご存知?
今回訪れたのはローソン・ポプラブランドの店舗。外から見える看板はいつもの青と白の看板。店内の内装や発売している商品類も普通のローソンで見かけるものばかり。
なのだが、ローソンがいつも発売する弁当の隣には、黒色の弁当箱が並んでいた。その弁当箱の中にはおかずだけ。お米はなし。まるでヘンテコな空間だ。
そう。そこが「ポプ弁」のコーナーである。
コンビニ飯というと、昨今の物価高に伴って安くもないし量も多くはない。変なギミックを用いて消費者を欺く上げ底弁当。そんなイメージが付いて回る。
通常のコンビニ弁当は工場で作りそのまま冷蔵して店舗へ。お客さんが食べるときにレンジで温めをして。というのが通常なのだが、ポプ弁は店内で炊きたてのお米を弁当箱に詰めてくれる。これが最大の特徴である。
ポプ弁はコンビニ飯のイメージから良い意味で逸脱しているのだ。
お米の量も、小盛〜普通盛〜大盛〜特盛から選べる。普通盛といってもお茶碗1.7杯分もあり、特盛となると3杯分に相当する。あまりにも太っ腹だ。
ポプ弁の購入方法は他の弁当類と同様に商品を選びそのままレジへ。店員さんに盛り付けるお米の量を伝える。これだけ。
約5分程度待つと、店員さんが「店内で炊き上げたお米」を詰め込んだホカホカの弁当を持ってきてくれる。
さっそく買う
今回は「ぶちタル盛りチキン南蛮弁当」を購入した。「ぶち」という言葉があるのもまた良い。広島弁で「すごい」「とても」を意味するそうだ。
お値段は698円也。他の弁当類と比べると値段はお高いが、炊きたて且つ多めのお米を食べられるなら安いもんだ。
ポプ弁の種類は豊富で今回の店舗ではカレーも発売されていた。このカレーもまたファンが多いそうだ。
また「できたての唐揚弁当10個入」なるハイパーウルトラスーパーカロリー弁当みたいな弁当も売ってあるそうだ。次はそちらも食べてみたいなぁ、と思うこの頃だ。
食べる
男ひとり旅にはもったいなさすぎる「オリエンタルホテル広島」へ帰還したと同時にポプ弁とご対面である。ラップで包まれた黒色の弁当箱。側から触ると、ジワッと指に熱が伝わる。
ポプ弁にはふりかけが付く。今回は「さけ風味」だ。では早速、オープンザ・プライス。
うわあああああああああああああああああああああああああ
チキン南蛮あああああああああああああんん↑↓
このチキン南蛮、まぁ分厚い。マンガの単行本の厚さ以上だ。上げ底という言葉なんて知らねぇ!と言わんばかりに、分厚い。食べごたえもあって美味しい。そしてお米もまた良きかな。
えぇぇ、テンションがぶち上がりとなったところで、ここで御覧頂いているあなたにお詫びをしたい。
当日、ポプ弁を前にしてテンションが上ってしまい、写真を撮る前にマンガ・狂四郎2030のキャラの如く「うめぇ うめぇ」とパクパクと食ってしまった。
チキン南蛮のデカさとかをご紹介できる画像がない。本当に申し訳ない。
まぁ美味しいからしょうがないよね!
最後に
旅行というビックイベント、更には宿泊の夜にコンビニ弁当で済ませてしまう男。
ご覧のあなたからしてみれば、馬鹿馬鹿しいったらありゃしないかもしれない。もったいない、そんな言葉も出てくるだろう。
ただ、ポプ弁は大変素晴らしいサービスであることには間違いがなく、広島の夜に相応しい弁当を提供してくれた。あなたも一度はご賞味いただきたい。たかがコンビニ弁当されどコンビニ弁当。
関東でもポプ弁を楽しめる店舗もなんやかんやある。東京都内では以下の店舗が提供中だ。
素晴らしい弁当を提供し、初めての広島で腹をパンパンにしてくれたポプ弁。ぜひポプ弁にはコンビニ弁当界を牽引するサービスでいてほしい。そして、多くの人の「温かい」存在でいてほしい。
私はそう願っている。