今回訪れた広島関連の記事は以下からどうぞ↓
スタジアム。広島に新しく出来たそうだ。いやいや、とても良いことじゃないか。広島にいるのだから行ってみたいなぁ。
でも、広島を訪れた日にはサッカーのシーズンは終わっていたし、イベントも何も予定されていない。行く意味は無い。そんなことを思う。
それでも新しいスタジアムに行ってみることは、その街が放つ熱と地域住民の感情と未来を感じ取れる。そんな気がする。
なんて、かっこいいことを思っちゃいながら、川辺を歩いて僕はスタジアムへ足を運んだ。
原爆ドームの先に見える
初めての広島を訪れた時には絶対に行ってみたい場所があった。それは原爆関連施設だった。広島平和記念資料館では原爆で起きてしまった悲劇、原爆ドームでは痛ましい痕を見届けた。
橋の上に立ち、原爆ドームを最近購入したカメラで撮影しているときのことだった。川の向こうに白い大きな建物を見つけた。
あれって、なんだっけか。
白い丸みを帯びた建物をしばらく見つめているが、ふわふわとした自分の記憶では引き出すことは出来ない。途中で外国人観光客と一緒に歩くガイドさんとすれ違った。
ガイドさんが自分でも聞き取れる英語で「That’s a new football stadium.」と言った。
あー、あそこにあったのか。
広島市内に今年開業をした新スタジアム。原爆ドームから結構近いんだなぁ。そうだそうだ、行ってみたいなぁと思ってたんだ。
何本か路面電車が相生橋の上を通りかかる。橋が静かに揺れる。
ただ、もうサッカー試合無いと思うんだよなぁ。と思いながら、自分は欄干に寄りかかる。
サッカーのシーズンは終わってんスよ
日本のサッカートップリーグ・Jリーグ。その最高峰であるJ1、2024年の優勝はヴィッセル神戸だった。今回訪れた広島に本拠地を構えるサンフレッチェ広島は惜しくも2位という結果でシーズンを終えた。
🥇 最終順位表
— Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) December 8, 2024
🏆 明治安田J1リーグ
■優勝
ヴィッセル神戸
■J2降格
ジュビロ磐田
北海道コンサドーレ札幌
サガン鳥栖
詳細はこちら⏬️https://t.co/GQ2GYXVBYK#Jリーグ pic.twitter.com/ESouvPNQWq
Jリーグの全日程が終了したのは12月8日。現在は12月15日。シーズンが終わって1週間経過している。
つまり、あのスタジアムに行ったところで試合は無いし、何も楽しめない。これはサッカーだけでなく野球やバスケといったスポーツ関連施設に共通する問題だ。前回、西武球場前を訪れた時に学んだ。
うーん。でもねぇ。
眼の前にスタジアムが見えているのだから行ってみたいなぁ。という思いはある。でも、サッカーの試合が無いのなら行っても意味ないしなぁ。外からスタジアムを見るだけというのは面白くないしなぁ。
変な葛藤をしている間にも相生橋の上を路面電車が何本か眼の前を抜けていく。
いや、もしかしたら何らかの形でスタジアムの中に入れるかもしれない。僅かな希望に縋るべく、スマホを取り出してスタジアムの公式サイトにアクセス。
スケジュールをチェックして15日の欄に注目する。「フィールドビューテラス一般無料開放」という文字が付いている。
詳しく見てみよう。
この度、日常的にスタジアム内観をご覧いただけるよう、スタジアム東側2階に位置するフィールドビューテラスの一般無料開放を以下の通り行うこととなりましたのでご案内申し上げます。
エディオンピースウイング広島・公式サイトより引用
それを早く教えてくれよ!寄りかかっていた欄干から身体を起こし、スタジアムへ足を進める。
スタジアムはデカかった。当たり前だが。
広島に新しく出来たスタジアムは「エディオンピースウイング広島」と呼ばれ、J1のサンフレッチェ広島と女子サッカーチームのサンフレッチェ広島レジーナが本拠地として使用している。
アクセスは広島駅から徒歩で約30分、広島電鉄の原爆ドーム前電停からだと約10分で到着する。
原爆ドームからだと旧太田川・通称「本川」を上がっていけば簡単にスタジアムへ到着する。自分のように知らない街を訪れた人間からすると非常にわかりやすい。街にある象徴的な建物から近いというのはスタジアムを知るうえで大きなアドバンテージだ。
川辺からスタジアムへ一気に近づくと、スタジアムの側面が眼前に現れた。
で、デケェ・・・
当たり前なんだが、デカいという感想が先に出てくる。そして、ワクワクが湧き出てくる。巨大な建造物を見るとワクワクするのは一体なぜなのだろう。
更に足を進めると「エディオンピースウイング」の文字がドンッと出現。これもデカい。
スタジアムの内部へ
今日は試合もイベントも予定されていないが、本当にスタジアムの中へ入れるのだろうか。ちょっとした不安を抱きながら入口へ進んでいくと、
「本日、フィールドビューテラス開放中!」という掲示物。その隣はフェンスが上がっていて、多くの人が出入りしていた。特に何かの手続きをするわけでもなく、みんなスルスルと入っていく。自分も付いていく。
そして、眼の前にこんな景色が。
ス、スタジアムやぁ…
率直な感想は「こりゃあ、ヨーロッパのスタジアムですよ!」という感想である。(ヨーロッパ行ったこと無いけどね)
座席とフィールドがギュッとしているこの感じ。いやいや堪らんですなぁ。
視線を左に移すと上にはスクリーン、そして壁のように伸びる座席。テレビで見たアイルランドにあるアビバ・スタジアムに似ている。
座席に座っている人がチラホラといた。座って良いんですか!!無料で!?弾む心を抑え込みながら近くの座席へ座り込む。
近ぇ!座席とフィールドが近ぇ!いやもうヨーロッパですよこりゃ!そして更に最前席に移動して撮影した写真がこれ。
近いねぇ。近すぎるねぇ。選手の吐息が聞こえそうで堪らんですなぁ。フィールドと座席の距離が最短だと8mになるそうだ。これが日本のサッカー場のスタンダードとなっていくんだなぁ。感慨深いなぁ。
スタジアム内の見晴らしと空気感
エディオンピースウイング広島の収容人数は約28000人。
国内で収容人数の多いサッカー場は横浜F・マリノスの本拠地「日産スタジアム」で約72000人。次いで浦和レッズの本拠地「埼玉スタジアム2002」で約63000人。
上位のスタジアムと比べると少ないように見える。しかし、座席とフィールドの近さやスタジアム全体が包みこまれているように見えて、決して数字上の少なさ・小ささは感じられない。
今回開放されていた座席はバックスタンド。座って思ったのが、どこに座ってもどこを向いてもフィールドをしっかりと捉えられることだ。
サッカーは縦横無尽に振られるスポーツ。陸上トラックがあるスタジアムだと遠くでプレーとなれば、何が起きているかさっぱりということがある。
ただ、このスタジアムは球技専用スタジアム。反対側で起きていることも容易に目で捉えられそうだ。
さて、フィールドビューテラスの開放は毎週やっているわけではないそうだ。入口付近に設置されていた12月の予定を見ると、ランダムで開放という感じ。
訪れる際にはサイト等でチェックしたほうが良さそうだ。
いやいや、素晴らしいスタジアムだ…と思っていると簡単に30分が経過していた。流石にこのまま長居するとずっと居座ってしまう。名残惜しいが座席を離れることにしよう。
スタジアムが街の中心に
スタジアムを出ると眼の前に広場が広がっていた。芝生が敷かれていて、中では親子がボールを蹴り合っていたり、プレミアリーグのマンチェスター・シティのトレーニングウェアを来た男性2人がボールをパスしあっていた。
スタジアムを中心に芝生広場や飲食店などが集まり、「ひろしまスタジアムパーク」というのを形成している。
街の中心・憩いの場となり人々に根付く。今、そしてこれから出来上がっていくスタジアムに求められている形を見事に表している。素晴らしい取り組みだ。
試合もイベントも特段何も無かったけども、とても満足。今度は試合がある日に来たいものだなぁ。
って、完全にスタジアムの術中にハマっている。そんな気もする。でも、まぁいいか。
スタジアム内の画像は以下からご覧いただけます。一応、高画質です。