広島で走る路面電車の終点が気になって、何か満たされた気がした広島港

広島で走る路面電車の終点が気になって、何か満たされた気がした広島港

広島周辺の観光地といえば、海上自衛隊の拠点である「呉」や厳島神社のある「厳島」にエトセトラ。行くべき観光地が溢れているというのに、自分は広島港に行ったんです。

まぁ、何があるのかというと答えられないけど、とにかく良かったんですよという記事。

広島港が気になってさ

広島に到着して最初に見かけた路面電車は旅行に来ているという非日常を演出してくれた。

流し撮りをしようとした図。大失敗だぜ!

自動車が走っている車道の真ん中には見慣れない線路が敷かれていて、その上を路面電車はガタガタと大きな車体を揺らしながらスピードを上げて走っていく。

路面電車には結構な人が乗っているんだなぁ、路面電車は結構な頻度で走っているんだなぁなんて思いながら眺めていると、とある事に気付く。

行き先が「広島港」行が多いということに。

広島市内を走る広島電鉄の路面電車は1〜9号線(4号線は忌み数のため無し)まであり、終点の広島港へは1、3、5、7号線で向かうことが出来る。

広島電鉄・路線図案内ページより引用。

気になる広島港について調べると広島港からフェリーが結構な頻度で出ているようで、訪れた日にも愛媛県の松山行なども出ていることを知る。

この日は12月15日の日曜日。どうせ呉や厳島は観光客でいっぱいなはずだ。なんだか気になり始め、何があるのかよくわからない広島港に向かうというのも旅行な気がする。よし、広島港へ向かおう。

冷静に考えれば自分も観光客なんだけども

広島港へそれぞれの行き方

広島港への行き方は色々とある。正直、複雑で自分は未だによくわかっていない。

広島駅から広島港へ行く場合は2通り。1号線と5号線を利用する方法だ。

1号線は広島駅から紙屋町といった繁華街近くを通り、広電本社前停留場を経由して広島港へ。
5号線は1、3号線と異なり紙屋町や八丁堀などの繁華街は経由せず、京橋川に沿って走り終点の広島港へ向かう。

5号線は広島駅から一気に海の方へ。これが最速。

まぁ、なかなか複雑だ。正直一発じゃわからない。個人的には東京や大阪の路線図を理解するより難しいと思う。

ちなみに広島駅から広島港を最短距離で結んでいるのは5号線だ。

紙屋町から広島港へ

エディオンピースウイング広島を訪れた後に広島港へ向かうことにした。

紙屋町シャレオという地下街へ潜り込み、近くの停留所を探していると案内に路面電車「紙屋町」という表示を見つける。事前に紙屋町から広島港へ向かうことが出来る。という情報を得ていたので、その方向へ足を進めた。

すると、停留所への矢印が2つ。「紙屋町東」「紙屋町西」とそれぞれの停留所があることをここで知る。

ど、どっち?

繁華街の紙屋町には2つの停留所。しかも他の停留所もいっぱいある。わかんねぇ!

どうやら、どちらでも広島港へ向かうことができるそうだ。最もわかりやすく乗車するなら本通停留所から乗り込むという手もあるそうだ。ただ、そんなのすぐには思いつかない。

紙屋町東のホームに立つ

当時は一番早く広島港へ向かう電車が紙屋町東から出ることに気づき、階段を上がる。
向こうのホームには緑色の路面電車・3950形電車が入線。広島駅行だった。

流し撮りをしようとした図パート2。また大失敗だぜ!

自分の立つホーム上、発車案内板には広島港行が「あと7分」という表示。その後にはフェリーと乗り換えが出来る宮島口行、車庫のある江波行が並ぶ。

広島港、宮島口、江波。それぞれ行き先が異なるのは怖い。

ちなみに「えなみ」じゃなく「えば」と読むらしい。それを知ったのは今この記事を作っているときとは言えない。

乗務員の方をAdobe/LightroomのAI生成機能で削除しています。誰だよあんた。

車内は途中の広電本社前までは空席がない状態が続いたが、そこからはチラホラと下車をしていく人が増えていく。そして、広島港についた時点では自分と老夫婦、あとは女性二人組という状態となっていた。

乗車をして約35分掛けて広島港へ到着した。

広島港に到着

広島港は多種多様な車両が並ぶ。自分を広島港へ連れてきた車両はそのまま「回送」という表示に変わった。

連れてきてくれた車両は静かに回送となった。

発車案内板には行先が表示されていて、隣には経由も表示されている。

横川駅は広島駅の隣の駅。

経由はとても重要で、広島駅へ急ぎの人は「比治山下」経由の電車に乗る必要がある。比治山下経由がいわゆる5号線で所要時間は約31分
それに対して紙屋町経由はいわゆる1号線で所要時間は約48分。20分以上の差となるので、十分注意したいところだ。

広島港の停留所を出てすぐのところにはフェリー・高速船へ乗船する旅客ターミナルがある。早速、旅客ターミナルを見ていこう。

ターミナルへ

フェリーターミナルの中は日曜日ながらに静かだった。混雑の時間帯を過ぎたのだろうか。フェリー・高速船への乗船を待つ人はまばらだ。

なんか良くないですか?そうですか、そうでもないですか。

面白いなぁと思ったのが、フェリーや高速船の出発案内が掲示されていて、これまた結構な頻度で出発していることがわかったことだ。

下手な田舎の電車やバスよりも船が出ているようだ。

海と船を眺める

フェリーターミナルの出口から出ると海が広がる。広島湾だ。空は白い雲が広がるが、その合間から薄青色の空がこちらを覗き込む。

広島湾に浮かぶ島は似島。広島市内の島としては一番の大きさだそうだ。

1隻の船が停泊中。乗り込む人が一気にフェリーターミナルから出てくる。

フェリーターミナルの近くではイベントが開催されていた。ギターの音と歌声。海にそれが溶けていく。

それにしても海は良いっすねぇ。なんだか落ち着く。旅行に来といて喧騒から離れたいという希望を叶えてくれている。そんな気がする。

ターミナルへ一度戻る

色々と海を眺めて、一度旅客ターミナルへ戻る。待合スペースにいた人たちは自分が海を眺めている間に乗船もしくはどこかへ行ってしまったようだ。テレビが淋しく音を鳴らしている。

フェリーターミナルは3階建て。1階が待合スペースと売店、2階にはレストラン、3階にはヨガ・ボクササイズのジャザサイズがある。
2階へ上がっていくと日曜日だが殆どの店舗が休業。やっていたのはインドカレー屋のみ。

ただ、休業中の店から見える海と島はなんか雰囲気があった。

広島駅へ

そろそろ自分が乗り込む新幹線の時間が近づいている。夕焼けに照らされる海というのも見てみたい気持ちがあるが、ここは正直に引き下がろう。

停留所には薄い橙色の明かりに照らされ始めている。丁度、5号線経由の広島駅行があり、乗り込む。静かに視界から外れるターミナルと広島湾。

今度はここから松山に行くというのも、いい旅になりそうだなぁと思いながら、「発車します」という車内アナウンスを聞き取る。