水戸と大洗の中間にある無人駅「常澄駅」が空中に浮いてるみたいだから行ってみるか

水戸と大洗の中間にある無人駅「常澄駅」が空中に浮いてるみたいだから行ってみるか

茨城の県庁所在地である水戸。そこから海辺の町・大洗へ向かう途中にある無人駅が気になった。

その駅は「常澄駅」。気になるから降りてみたい。純粋にそういう記事ですよ。

水戸を経由して、大洗へ

とある事をするために、JR東日本・常磐線に乗り込んで一路茨城県へ侵入。人生で初めて水戸駅で下車をした。

福島に行った際は通過。というか、なんやかんや茨城は久々であります。

常磐線の始発駅である上野駅から水戸駅まで約2時間、特急ひたち・ときわを利用すると約1時間40分程度で到着する。周辺は県庁所在地らしく、多くの人で賑わっていたし、ビル群に囲まれていて活気を感じた。

“意外”と発展してんだなぁって思っちゃってさ…

水戸に降り立った後、向かう場所は大洗である。水戸と大洗の間は鉄道が通っていて、鹿島臨海鉄道大洗鹿島線が走っている。その間の距離は11.6km。

この合間にある駅が今回のテーマ。

大洗のことについて調べるため、色々とGoogleマップなどで周辺を散策していると水戸と大洗の間に2つの無人駅があることに気付いた。

その内の1つ「常澄駅」がなんだかとても気になったのだ。

なんだか気になった常澄駅

常澄駅は水戸から2つ目の駅。常澄駅。

常澄駅 - 水戸・鹿嶋を結ぶ「大洗鹿島線」と貨物輸送を行う「鹿島臨港線」を運営する鹿島臨海鉄道株式会社
www.rintetsu.co.jp

周辺には何があるか、Googleマップで見てみると周りは何も無い。なぜ、そんな駅が気になったのだろうか。それは、口コミの1つとして投稿されていた画像がとても印象的だったからだ。

闇夜が目の前に迫っている中、高架の線路を走る列車を長時間露光(シャッターを長時間開けたまま光を取り込み続ける撮影技法)で捉えた写真が投稿されていた。

その写真は、列車が発したであろう光を一線に捉えまるでSF映画よろしく宇宙の中を飛ぶスペースシャトルを描く、魅力的な写真だった。

写真に惹かれ駅を調べていくと、駅周辺が田んぼ・田んぼ・田んぼ。駅から見える景色が「浮かんでいる」ように見えた。それが決め手となり、「行ってみたい」と思うようになったのだ。

というわけで行きましょう

12月16日、水戸駅。時刻はまもなく16時を迎えようとしている。水戸駅周辺は放課後の時間ということもあって、帰宅途中の学生が多く構内は混雑していた。

水戸駅から大洗方面へ向かうために切符を購入しよう。鹿島臨海鉄道ではSuicaやPASMOといった交通系ICカードが一切利用できない

乗車時には切符を購入する必要があるのだが、券売機はJRの券売機と同じ場所に用意されている。画像で言うと券売機上に書かれている番号を見ると4番と5番で購入可能。それ以外の券売機では鹿島臨海鉄道の切符は購入できないので注意が必要だ。

4番と5番で鹿島臨海鉄道の切符が買える。3番では変えないので注意だ。

今回の目的地である「常澄駅」までは320円。最終目的地の大洗までは420円、鹿島アントラーズの本拠地・鹿島サッカースタジアムまでは1560円、鹿島神宮までは1750円となっていて、少々お高めだ。

鹿島臨海鉄道の列車はJR水戸駅の8番線ホームから発車。JRの改札にきっぷを通して入場する。

大洗鹿島線 見慣れないオレンジ色のLOCAL

大洗方面へは1時間に2本のペースで運行されていて、主に大洗行・鹿島神宮行の2つが占めている。この日は15時57分発の鹿島神宮行がホームで発車を待っていた。車内は構内の混雑をそのままに学生が中心となり混雑していた。

赤と青の車両。全体が撮れないほど混雑していた。

発車時刻になり、放送で「発車します」と同時にブルブルと車体が揺れる。鹿島臨海鉄道はディーゼルエンジンを搭載した気動車で運行されている。ゆっくりとスピードを上げてJR水戸線・常磐線と線路を並行し、そのまま大きく右へ曲がっていく。

ほぼ盗撮アングル

しばらくすると線路が単線に。大洗鹿島線は全てが単線、複線区間はない。

水戸駅前のビル群は静かに溶けていき、静かな住宅街の町並みが広がり始める。更に進むと住宅街も溶けて気づけば田んぼばかりに。田んぼに映る影を見届けて、最初の駅である東水戸駅に到着。

東水戸駅では多くの学生が降りていく。入れ違いで数人のお客さんが乗り込んできた。東水戸駅で1分程度停車した後に扉が閉まる。いよいよ次の停車駅が常澄駅だ。

常澄駅に到着

東水戸駅を出て、まっすぐに伸びる単線の上を列車が進む。

途中で北関東自動車道と交わり、さらに直進する。

常澄駅に到着。水戸駅で購入した切符をワンマン運転中の運転手さんに手渡して降車。ホームに降り立つ。

自分をここまで連れてきてくれた列車はそのまま多くの人を乗せて走り始める。線路の先には大洗があり、その先となる鹿島神宮まで向かう。

ホームを散策

気になっていた常澄駅の駅名標。シンプルもシンプルな駅名標。

15時57分に水戸駅を発車し、常澄駅には16時08分に到着。ホームからは夕陽がそろそろ落ちかけという状態。ホーム全体が陽に包まれていた。ちなみに日の入りは16時24分だ。

駅近くには駐車場が用意されていて、多くの車が駐車している。どうやらここまで車でやってきて電車に乗り換えるパークアンドライドが普及しているようだ。

ホームの中央付近には時刻表が設置されている。白を基調とする時刻表が橙色に染まっている。

大洗方面ホームからは田んぼが広がっているのが見えて、その先には茨城県立産業技術短期大学校がある。逆にそれ以外に何も無い。

水戸方面に伸びる線路は一直線に伸びているのに対して、

大洗方面の線路は大きく画面右に回り込んでいる。きれいな湾曲。

さて陽が飲み込まれ始めた。そろそろホームの階段を降りて、外を散策してみよう。

外を散策する

ホームと地上をつなげる階段はシンプル。間には改札なんて無いし、何ならホームへの案内を表す看板すら無い。

階段を降りると1台だけ自動販売機があった。ここでも現金もしくはコカ・コーラのサービス・コークオンアプリでしか決済できず、交通系ICカードの影は見当たらない。

線路に沿って大洗方面の湾曲を見に行こう。歩き始めて、周囲を見渡すと田んぼの向こうに住宅が広がる。

上を見れば静かに信号が仕事の時間を待つ。

湾曲する線路までは歩いて3分。国道245号が通っていて、多くの車が行き交う。自分のような奇特な人間のためにあるのか横断歩道が用意されている。

歩き始めて10分ほど。ようやく大きく左に曲がる線路の脚元へ。こんなに立派な高架だが、単線。

ホームへ戻る

線路を眺めて、戻ると1本大洗方面が発車済み。そして、丁度ホームに上がると水戸方面の列車が到着していた。

ホームは暗闇に包まれる一歩手前。列車の照明が輝き始めている。

闇に包まれるのはあっという間だった。ホーム上にある待合室で色々と写真を撮っていると、

気づけば常澄駅は闇の中にいた。

照明が心許ない。淋しく蛍光灯が光る。

遠くでは満月が煌々と光っていて、裸眼で見ると巨大だったのが、カメラを通すと小さくてしょうがない。その間に自分を大洗に連れて行ってくれる列車が到着した。

大洗駅へ

大洗駅に到着すると多くの人がホームに降り立ち、自分もその中にいた。改札へ進む人の流れを後ろから見守り、大洗駅のホームを散策する。

階段にはガルパンのポスターや通路には大きなパネル。町の重要な観光資源でもある。

さぁ、短い時間だったが常澄駅の探訪だった。ここからは大洗を経由して、北海道の苫小牧へ向かおう。