コスホリック40に行って、己の弱さを実感す

コスホリック40に行って、己の弱さを実感す

2025年2月17日

今回の記事は画像少なめ・文字多めである。

なぜかって?画像上げたら、エッティな写真ばかりになるからさ・・・

見ず知らずの世界のままではもったいない

遡れば2月上旬。ドミノ・ピザの食べ放題で虚しく散る前のことだ。

ドミノ・ピザ食べ放題・・・ですか。店、潰してしまうかもしれないねぇ・・・
食べ放題は勝負であり、勝負は虚しさを運んでくる。 気になっていたんだ、あの時から レインボーブリッジを歩いて渡ったあの時。お台場にたどり着いて、海風を全身に浴び…
tetsu-dakawa.com

友人からとあるイベントについて教えてくれた。

「コスプレに特化したコミケ的なイベントがあるらしい」という内容だ。

友人が勤める会社の先輩がそのイベントに行ったらしいのだ。そして、「それはもうすごいんだって」というなんだか中身があるんだか、無いんだかさっぱりな感想をぶつけられた。

「何がすごいのかい?」と聞くと、
「色々すごい」というのだ。

はて?意味がわからない。イベント名は「コスホリックだという。

コスホリックはコミケと同様に同人誌即売会である。ただ、コミケと異なる点は「18歳未満は入場できない」という年齢制限がある。

Google先生やTwitterないしXで調べてみる。すると、Xで見つける。とてもグラマスな女性がポーズを決め、「今度、コスホリックに出ま〜す」という内容の投稿を見つけた。次の投稿もそうだ。水着というには少しばかり心もとない生地面積のモノを身に着けた女性がポーズを決めている。

すごい・・・イベントだ。画像を見て、恐れ慄く。しかし、私は悪い気はしなかった。

昨年の夏に私は友人と共に東京ビッグサイトで毎年開催されているコミケへ向かった。その時に私は人々が「好きな物事」に集中して取り組む姿に圧巻され、その姿に憧れを抱いた。

「あれだけ自分の好きなことを追求できたなら、さぞ人生は明るいものになるのだろう」

そして、そのまま煽られていきこのサイトを始めようと決意した。つまりは知らない世界に触れたことで、自分の転換点を創り上げたものでもあったのだ。

コスプレに特化したイベントに参加することは、以前の自分なら少々二の足を踏んでいたに違いない。しかし、画像を見て思ったのだ。

「自分の眼で見たい!」と。何をとは言わない。ただ、「見たい!」と。

自分はこのサイトを始めてからは「知らない世界を見ないままに死ぬのはもったいない」という考えになってきた。自分の見ず知らずの世界を体験することはこのサイト、自分の成長を含めて重要なはずだ。

だから「見たい!」のだ。何をとは言わないけども。

私は友人に力強く叫んだ。

「よし、見に行こう!」

バレンタインデーをどうするのかさえ考えていない20代後半男性はそのイベントに向かうことに決めた。

建国記念の日に熱気が渦巻く

コスホリックの会場は埼玉県さいたま市の「さいたまスーパーアリーナ」での開催だった。今回で40回目の開催である。

さいたまスーパーアリーナのサイトです。
www.saitama-arena.co.jp

当日、風が非常に強く、JR東海道線は飛来物が架線に付着したことで大幅な遅れが発生していた。スーパーアリーナの最寄り駅である「さいたま新都心駅」も同様に周辺の木々が強く風に弄ばれていた。

私はさいたま新都心駅の改札を「1人で」通った。

この画像も一人で撮りました

そうだ。1人である。誘ってきた友人が「会社の人から誘われてしまった」ということで、当日の参加はキャンセルとなったのだ。

私は「そうか・・・仕方がないね」と受け入れた。

ただ、私は思っている。彼は「コスホリックのことを恐れていたのではないだろうか」と。「おっぱいを凝視するところをカワバタテツヒロに見られたくない」という思いが少なからずあったのではないだろうか?

いや、彼は「んなわけあるか!」と突っ込んでくるだろうが、私はそう思っている。人に性的衝動を見られたくはないのだから、致し方ない。キャンセルしたくなる気持ちも理解ができる。だって、僕は大人だから。

1人淋しくさいたま新都心駅に降り立った私は真正面からぶつかってくる強風に逆らって、さいたまスーパーアリーナへ足を向けた。

2月11日は東京近郊の大型施設でイベントがどこもかしこも開催という状態。さいたまスーパーアリーナも例外ではなかった。

スーパーアリーナでは「コスホリック」以外に展示ホールでは「振袖展示会」が開催されていたり、アメリカの人気バンドである「リンキン・パーク」のライブが予定されていた。

そのため、スーパーアリーナ周辺は、特にリンキン・パークのファンの人達がわんさかと集まっていた。グッズ売り場には長蛇の列。そして、入場口には今か今かとセカセカしているファンの人が見えた。

ではコスホリックはどこで開催するのだろうか?と周囲を見渡していると、なんだか人目につかないようにコソコソとスーパーアリーナの通路を早足で抜けていく男性を見つけた。

もしや・・・私はその男性の姿を凝視した。そして、足を動かす。まるで「不思議の国のアリス」のうさぎを追いかけるの如く、その男性の後を追った。

男性は階段を降りていく。自分も男性の後を追っていく。すると銀色に光る鉄扉が見えた。その鉄扉の一部が開いている。そこに主に男性がどんどんと吸い込まれていく。

ここか・・・私はその鉄扉の向こうへ足を踏み入れた。

なんだか空気が異様だ。

コスホリックは14時から開催されており、私は14時30分に中へ。

踏み入れた場所はさいたまスーパーアリーナの「コミュニティアリーナ」の入口。そこで入場時のチェックが行われていた。

コスホリックに参加するためには以下の物が必要となる。

  • コスホリックのパンフレット(入場券代わり)
  • 年齢確認のできる顔写真付き公的証明書

これら2点が必要となる。

コスホリックではパンフレットを発売しており、パンフレットの提示をもって「入場券」の扱いとなるパンフレットのお値段は取扱店舗での購入の場合は3000円、当日会場で購入する場合は3500円となる。

これが入場券扱いになるパンフレット

パンフレットに関して「別に当日買えば良いんじゃない?」と思いそうになるが、前日購入と当日購入で入場できる時間が大幅に異なるそうだ

14時で入場できるのは前日購入の人のみ。当日購入の入場は16時からと2時間の差が生じる

実際にパンフレットを所有していない人がスタッフさんに「まだ早いっすね」と断りを食らっているのを見かけた。なので、興味がある人は早めに買っておくことをおすすめしたい。

次に年齢確認である。イベントの内容が内容なので18歳以上であることを証明しなくてはならない。

  • 運転免許証
  • パスポート
  • マイナンバーカード
  • 住民基本台帳カード

これらの他に年齢が確認できて顔写真が付いている社員証や学生証、タバコの購入で使えるTASPOなんかもOKだそうだ。

これらのチェックを終えるとスタッフの方からパンフレットの最後のページにある余白に「確認シール」が貼られ、紙製リストバンドを渡される。

このリストバンドを腕に巻くと正式に入場が出来る。

リストバンドを付けていないと入場できないと強くスタッフさんが叫んでおり、1人の男性が「リストバンド付けてください!」と呼び止められていた。その光景は空港の手荷物検査以上に熱いものだった。

またチェックのタイミングでどうも落ち着きがない人が何人かいた。視線をキョロキョロと動かし続けたり、年齢確認の公的証明書を探している時に焦りがピークになっている人がいたり。なんだか、異様な雰囲気を感じ取る。

自分もリストバンドを受け取って中へ入る。その瞬間、落ち着きが無い人の気持が一瞬にして理解が出来た。

なんだかね、なんだかすごいんですね。なんだか

語彙力ちゅうのはその場の雰囲気にあてられると簡単に失ってしまうもの。

会場内の中央にはコミケのように、長机が横一列に並び、そこに同人誌など積み重なっている。そして、その机の後ろには出品しているサークルの人たちがいる。のだが、そのサークルの、特に女性が色々なコスプレをすでにしている状態だ。

一部の人はAdobe/Lightroomの生成AIで削除しています。

アニメやマンガといったコスプレだけでなく、水着の格好をしていたりする人がいる。そんな中でとある所では「それって大丈夫じゃないでしょ!?」と思わずにはいられないほど際どい格好をしている人がいる。

つまりは、「目のやり場がどちらに向ければいいんだい?」的状態に陥ってしまう。それだけ、みんな思い思いの格好をしているし、「おおぉ〜」とびっくりするような格好をしている人も多くいるのだ。

さて、自分も会場内に入ったのだから、今回の「コスホリック」では何をしたいのか、はっきりと決めてやってきた。発売されている同人誌も良いが、

今回は「撮影」をしてみたい。

コスプレしている人を撮ってみたい

カメラを買って、長らく景色ばかり撮ってきた。綺麗に撮れる景色に惚れ惚れするのはとても楽しい。ただ、そろそろ他ジャンルに挑んでみたい。その思いを叶えてくれそうな雰囲気があった。

今回のコスホリックではコスプレ撮影のチャンスが多くある

同人誌即売会ではあるが、コスホリックは撮影会の一面も持ち合わせている。

各サークルで同人誌等が売られている中で多くのサークルが「撮影券」というのを発売していた。

この「撮影券」を購入すると一定時間で撮影が可能になるというものだ。撮影する機材はスマホでもカメラでも問題はない。

サークルによって撮影できるお値段・時間は変動するが、多くのサークルで1000円であったり新刊を購入すると貰えたりする。中には1万円以上購入でゲットできるというサークルもあったりした。

私はこの撮影券を購入しようと会場内を闊歩した。しかし、訪れたタイミングが悪かったからか、多くのサークルで「撮影に行ってます」という看板が置かれていたり、次の撮影時間が「1時間後」というものだったりとタイミングが合わない。

また意気地無しなもので、際どい格好をした人の前に立って「これください」という単純なことさえ出来ないのだ。

はてさて、どうしたものか。

と考えあぐねていると、とあるサークルの前で立ち止まった。長机の後ろに掲げられているポスターに目が行く。写っている内容がなかなか過激な格好で、圧倒された。すると、じっと見つめている自分にそのサークルの関係者らしき人に声を掛けられた。

「よかったら、これどうぞ」

渡されたものはラミネート加工された1枚の紙。

「あ、どうも」と内容を見てみるとポスターに写る女性がバニーガールの格好になっていた。あれまぁ、すごいわぁ。と思い、裏を捲る。

すると、視線が一部の所に向いた。そこには、過激な格好をした女性が更に裸へ近づいた格好になっていた。肌にはテカリが見え、胸部分が開けっぴろげになっている。いやいや、スゲェな。と何故か感心する。

ここで、長机の後ろに立つ人から声を掛けられた。その人は女性だった。

「お兄さん、せっかくだから近くで見てみませんか」

上野のアメ横みたいな声掛けをされて、少し猫背になりながら近づく。もうここまで来たのなら一個買うか!と思い立って、

「これください」と視線を奪われた場所を指した。

すると、女性は「お、お兄さんお目が高いですねぇ」と笑う。

一瞬、理解が出来なかった。もう一度、指した場所を見遣る。ヌルヌルテカテカボディナンチャラと書かれていて、それを見てすぐに理解する。

あ、アダルティなビデオだこれ!

「良いの選びましたねぇ」と女性が言う。

すると急激に恥ずかしさが襲いかかってきた。本屋でもエロ本を買ったことはないし、アダルティなビデオを店員さんに見せて買う・借りることもしていない現代っ子だ。

なんだか、性癖を知られたかのようで顔を引き攣らせる。

「い、いやぁ、まぁ・・・そう言われると恥ずかしいですけど・・・」
「他のもどうです?」
「い、いやぁ、大丈夫ですぅ・・・」

もう解放してくれ・・・と思っていると、「こちらどうぞ」と紙を渡される。

「1枚買って頂いた方に撮影券をお渡ししてます」

キタッ!恥ずかしさの向こうにチャンスが舞い込んできた!

いざ行かん

撮影券を握って、指定の場所へ向かう。そこには今回購入したサークルに出演している女性がいた。後になってわかったが、そういう系統のお仕事をされている方だった。

撮影場所にはすでに6人ほど並んでいて、順番を待っていた。撮影はどんな感じでやるのだろうか。前の人を観察してみると、手慣れた感じで撮影し、最後には女性の胸元にカメラのレンズを近づけてパシャっと撮り、「あっしたー」と気だるく挨拶をしてその場を去っていった。

なんじゃ、ありゃ・・・

呆気に取られていると自分の番が来た。

Nikon Zfの設定調整もままならないまま。ここはカメラにすべておまかせするしかねぇ・・・頼むぞ!と意気込み、シャッター速度もオートフォーカスも全て自動という「オートモード」で挑むことに。

感度自動制御機能は、設定した ISO 感度で適正露出が得られない場合に、カメラが自動的に ISO 感度を変更する機能です。撮影時に ISO 感度が高くなりすぎな…
search.nikon-image.com

女性の前に立ち、スタッフの方が開始の合図を出す。自分はファインダーの中を覗き込む。女性がポーズを決めているのが見える。シャッターボタンを押せばパシャっと鳴る。ただ、ここで気付く。

全体的に白い!

会場内の明るさを考慮できないまま、すべてを自動設定で挑んだため、画像が白くなっている。ただ、後戻りは出来ない。無我夢中で撮影していく。

虚しく鳴り続けるシャッター音。ブレる女性の姿。コスプレ撮影・・・ムズい!

終了です!とスタッフさんが叫ぶ。

完敗である。

難しいよ・・・

コスプレ撮影。非常に難しい。

カメラをまだまだ使いこなせていない証拠である。鍛錬が足りていないのだろう。自宅に帰って撮影した画像を見てみると、17枚撮った内で見るに耐えうるものはたったの2枚。

コスホリックに来て、周りと上手く溶け込めず、更にはきれいな写真も撮れずか・・・意気消沈で会場内を歩いているととある看板に目が行った。

競泳水着の写真だった。なんだか眼が離せず、気づけば「すいません、これください」とサークルの人に声を掛けていた。

コスホリックに飲み込まれていることにも、慣れている自分がそこにいた。