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浜松で一泊し、いよいよ最終目的地である名古屋へ向かおう。
浜松から名古屋の行き方は、
- JR東海道線(在来線)
- 東海道新幹線
の二択になるはずだ。というか、殆どそれしかないと言っても良い。
ただ、今回は通過しがちな静岡県をちょいと見て回りたいという思いがある。
ならば、少し遠回りになってしまうけども「エヴァンゲリオン」の「第3村」を訪れてから、豊橋へ行ってみようかね。
目次
第3村って、何?
さぁ、今回は第3村がテーマだ。
うん?第3村ってなんだって?またまた知ってるくせにぃ〜
と言いたいところだが、第三村が登場した映画「シン・エヴァンゲリオン」の公開日は2021年3月8日。なんと4年以上が経過している。ならば知らない人もいて当然である。
では、第三村というのは一体何なのか。少しばかりチェックしていこう。
「第3村」というのは映画「シン・エヴァンゲリオン」に登場する集落。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(新劇場版の2作目)」で発生した災害「ニアサードインパクト」を生き残った人々が既存の鉄道施設を流用して、生活圏を作り上げている。
アニメシリーズや旧劇場版、更には新劇場版で描かれてきたハイテクシステムに囲まれているエヴァの世界観から打って変わり、自然に囲まれ(村の外にはコア化が進んでいて人は住めないけど)ていて且つ人間模様が細かに描かれる舞台となっている。
そんな第3村のモデルとなったのが、浜松市から北へ25km先にある天竜浜名湖鉄道の「天竜二俣駅」である。
天竜浜名湖鉄道は静岡県の西部を繋ぐローカル線で、豊かな自然やレトロな駅舎、天竜二俣駅のように映画やアニメの舞台にもなった場所が数多くあるのが特徴だ。
またこの天竜浜名湖鉄道は掛川駅から静岡県の山側を通り、浜名湖に沿って東海道の方へ近づいていき、最終的には愛知県・豊橋駅の手前である新所原駅まで向かう。
今回の旅の趣旨である「スルーしがちな静岡県を見てみる」「浜松→豊橋間の移動」という目的を満たしてくれる鉄道でもあるのだ。
遠州鉄道よ、私を山へ連れて行ってくれ
ここまで東京から三島、三島から静岡、静岡から浜松とすべての車窓に海が登場してきたが、今回は海とは一度おさらば。全くの逆方向となる山方面へ向かう。
第3村のモデルとなった天竜二俣駅へ浜松駅から向かう場合、遠州鉄道の終点駅である「西鹿島駅」へ向かい、天竜浜名湖鉄道へ乗り換える必要がある。
ということで、遠州鉄道の新浜松駅へ。

JR浜松駅のほぼ真横に位置する駅で、近くには遠州鉄道の百貨店・遠鉄百貨店がある。
訪れた時期はエヴァンゲリオンと浜松市が「シン・ハママツ計画」というコラボ企画を行っていた。
浜松市役所には初号機が設置されていたり、天竜浜名湖鉄道と遠州鉄道ではラッピングトレインが走っていたりと、ゼーレからしてみればフレンドリーすぎる計画が執り行われている。
またそれに関連して、天竜浜名湖鉄道と遠州鉄道が1枚で乗り放題となるフリー切符の絵柄もシンジ君とカオルの2人が表面を彩っている。

フリー切符は2種類。遠州鉄道+天竜浜名湖鉄道の天竜二俣駅〜新所原駅間が乗り放題となる西ルート、遠州鉄道+天竜浜名湖鉄道の西鹿島駅〜天竜二俣駅経由〜掛川駅間が乗り放題となる東ルートとで分かれている。
今回は新所原駅へ向かうルートなので西ルートを選択。新浜松駅の窓口は券売機横にあるので、落ち着いたタイミングを見計らって駅員さんに一声掛けてから購入しよう。ちなみに、クレジットカードは利用できないので注意だ。

新浜松駅・発車

新浜松駅は相対式ホームで、基本的に1番線ホームから電車が発着する。

2番線ホームには電車が止まっていて、留置線として利用しているそうだ。
遠州鉄道には赤電という名称があり、やってきた電車も赤色だった。

9時12分発の西鹿島行。朝ラッシュの時間帯は過ぎていたが、多くの人が乗り込んだ。JRと比べればローカル線というイメージ付いてくるものの、遠州鉄道は1時間に5本も新浜松駅から発車するというのだから驚きだ。
電車が発車し、新浜松駅の高架をゆっくりと進む。浜松駅で初めて一泊し、前日には駅周辺を徘徊してみた。そこで思ったことは、浜松は普通に都会なんだなぁということだ。
テレビでよく見る東京の摩天楼に隠れて、人々の動きが活発的な街が多くあるのに気づけていない自分がいた。浜松は気づかせてくれた。有名な観光地や大都会を闊歩するのもいいけど、こういう町並みに注目するのも良いもんだ。
高架から見える国道152号線を行き交う車たちを見つめながらそう思う。赤電は遠くを見遣る自分を載せながら浜松市郊外を目指す。
浜松市郊外を突き進み
浜松市内を抜けて、徐々に住宅街が広がっていく。車内に多くの人が乗り込んでいたが、途中の駅で数人降りて、また次の駅で降りてを繰り返していく。

特に八幡駅で多くの人が下車していった。
なんでだろうか?と疑問に思っていると、八幡駅の近くには楽器メーカー「ヤマハ」の本社があるらしく、そこで働く人達が降りていったのだろう。ちなみに、バイクとかでお馴染み「ヤマハ」の本社は磐田市にある。

降りてまた降りてを繰り返していき、気づけば西鹿島駅近くで乗っているのは自分と隣の車両にいる高齢の女性だけになっていた。


遠州鉄道の終点が見えてきた。乗車時間は32分、あっという間の到着だ。

西鹿島駅から第三村へ
遠州鉄道の終点・西鹿島駅に到着。えんじ色の屋根が特徴的。

改札周辺にはこんなのが。

あなたは何もしないで。と言われてしまいそうな、ミサトさんがいた。
改札前の券売機を見ていこう。遠州鉄道の券売機はJRなどでよく見る券売機であるのに対して、

天竜浜名湖鉄道の方は食堂とかでよく見る券売機。

遠州鉄道の発車案内はあるけど、天竜浜名湖鉄道の案内は掲示されている時刻表だけ。


天竜浜名湖鉄道の天竜二俣駅へ向かう列車は10時10分発。もうまもなくの到着だ。
西鹿島駅は遠州鉄道の管轄。乗り場は1と2番線を遠州鉄道が使い、3番線に天竜浜名湖鉄道の掛川方面・新所原方面どちらの列車も発着する。3番線へは1番線を経由して、地下通路を進む。

階段を降りて地下通路へ。今度はマリがいた。

今回は改札を一度出たが、遠州鉄道で西鹿島駅に到着後そのまま改札を出ずに天竜浜名湖鉄道へ乗り換えも可能だ。その際に注意するべきことがある。

案内にも書いている通り、遠州鉄道では「ナイスパス」という独自のカードやクレジットカードのタッチ決済で乗車することが可能だ。ただ、天竜浜名湖鉄道ではそれらのサービスには対応していないため、予め処理する必要がある。
更に天竜浜名湖鉄道の乗車券を購入しないで乗車する場合は、乗車時の整理券を取り、降車駅で現金精算する必要があるので、不慣れな人は要注意だ。
3番線へ向かう階段を上がると天竜浜名湖鉄道デザインの駅名標が。なんともシンプル・イズ・ベストな感じがする。

列車がやってきた。入口近くには「ワンマン 後乗前降」の案内が。みんなそれに沿って動いている。

今回乗車した列車は、天竜二俣行。車内には自分を含め4人程度という状況だ。東京に住んでいると見る機会が少ないボックスシート。これがまたレトロ感を演出する。

途中で天竜川の上を飛んでいく。

山に生い茂る青々しい木々と静かに流れる川。ああぁ癒されるぅと思いつつ、シャッターを切る。
「まもなく終点、天竜二俣駅」そんなアナウンスが響いた。

「まもなく終点、天竜二俣駅」そんなアナウンスが響いた。

プシューと扉の開く音と共にホームに降り立つと真正面に駅名標が立っていた。

新浜松駅から1時間程度。いよいよ自分は「第3村」にやってきたようだ。

第3村付近を闊歩する
天竜二俣駅では期間限定で駅名標を「第3村」に変えている。それもあってか、駅の至る所がフォトスポットに感じてしまいパシャパシャと写真を取りまくってしまう。
改札を出るとシンジ君がいた。

シンジ君も第三村ではアスカにレーションを口に詰め込まれたり、友人たちが大人に成長していたりと、あまり良い思い出がないような気がするが力強く立っていてくれて良かった。
駅改札入口の上に掲げられている駅名も第三村になっている。手抜きなく、第3村という駅に変貌しとる・・・

転車台を見ていこう
さて、天竜二俣駅には天竜浜名湖鉄道の車両基地や転車台がある。もちろんシン・エヴァンゲリオンにも転車台が登場している。動画でいえば、中盤に登場する。
映画内では駅ホーム近くに住居スペースが並んでいたが、車両基地では車両を図書館やお風呂に改修したり、事務所内が病院となっていたりと劇中の人々の生活に活用されていたりした。
そんな車両基地を見てぇ!
天竜浜名湖鉄道では天竜二俣駅の車両基地内を見学するツアーを開催している。やったぜ。
と思っていたが、訪れたのは平日。開催時間は13時50分からだった。うーん。流石にその時間まで周辺を散策するというのには無理がある。今回は遠目からだけでも見ることにしよう。
天竜二俣駅を出て更に山の方へ歩いて5分。

見えてきた!
いやいや、映画で見た風景と似ておりますなぁ。なんだか見ていてぽかぽかする。みんなもぽかぽかしてほしい。
ここで1つ注意点。天竜浜名湖鉄道の車両基地に不法侵入する行為が散見されていて、注意が呼びかけられている。
車両基地の中には「ロンギヌスの槍」があったりと、エヴァを見届けた人たちにとってとても魅力的な場所である。ただ、不法侵入はよろしくない。ルールを守って、見学したいならば見学時間に合わせて訪れよう!
第三村よ、さらば
第三村を訪れて、ハイ終了。となりそうだが、この旅はまだ終了ではない。

天竜二俣駅からまた太平洋方面へ進み、愛知県は豊橋駅へ向かっていこう。新所原方面へ向かう列車は10時48分にやってくる。ということで駅へ戻ってくると、

ゆるキャンだ!女子高生達がキャンプするあの漫画である。
天竜浜名湖鉄道の沿線にはゆるキャンの聖地がアチラコチラに点在し、この駅もまたゆるキャンの聖地でもある。駅のホームへ入ると、掛川方面の列車が到着。列車を見てみると、第三村にゆるキャンのラッピングトレインがやってきていた。

エヴァの世界観に、ふわふわしたゆるキャンが入り混じるというなんだか不思議な空間がここ静岡の山地に存在した。
10時48分、列車がやってきた。これにもラッピングがされている。

株式会社エム・ティー・ケーがプロデュースするバーチャルアイドル「音街ウナ」のラッピングトレインだ。
なんか、東京や大阪で走る電車以上にカラフルでキャラクターに富んでいるな・・・
乗り込んでみると、上ににも音街ウナの写真が。

ネックピローも音街ウナ。度が過ぎたファンでもここまでしねぇぞ!

天竜浜名湖鉄道の景色が良いっすよ
天竜浜名湖鉄道の列車に乗り込んで、豊橋へ向かう旅へシフト。車内では6人ぐらいの高齢男性と女性グループがいて、お酒をガブ飲みしていた。
「高橋さんは!いっぱい!飲みますねぇ〜!」というお父さんの声とガタンゴトンという音が混じり合う。

車窓から駅名標が見えたならパシャリとカメラで捉える。お父さんの笑い声をBGMにそれを繰り返していく。
フルーツパーク駅に到着。なのだが、フルーツという言葉とは見合わない「KATANA」という文字。

そして、ここで降りるジーンズジャケットの夫婦を見かける。な、なんだいここは?
浜松市に本社を構える「SUZUKI」のバイク・KATANAの聖地でもあるそうで、KATANAを愛するライダー達が集まる「KATANAミーティング」が駅周辺で開催されているそうだ。
ちなみにKATANAのラッピングトレインも走っているそうだ。天竜浜名湖鉄道、聖地が多すぎる!
浜名湖だぁぁぁぁ、やったぁぁぁぁ!
浜松市の郊外も郊外。電車は右に揺れ、左に揺れを繰り返しながら進んでいく。

途中でシンジ君のお父さんとすれ違ったりもした。

そして、いよいよ見えてきた。

浜名湖の登場である。
東海道新幹線や東海道線からだと一瞬で終わってしまう浜名湖。ただ、乗っている列車は天竜浜名湖鉄道。文字通り浜名湖の近くを走る鉄道だ。思う存分浜名湖を楽しめる。

家の近くが浜名湖ってなんかすげぇなぁ。
浜名湖佐久米駅へ到着。湖畔近くにあり、眼の前が浜名湖という駅だ。ここもまたゆるキャンの聖地だそうだ。

眼の前には高速道路が横切っている。冬場になればカモメが大量発生するでお馴染みの駅だが、春を迎えてカモメ達は旅立ってしまったのか、1羽もいねぇ。もう少し早く来れば・・・と思いながら列車がゆっくりと発車していく。すると、

いっぺぇいる。ちょっ!ちょっと!すいません!写真を撮りたいので飛んでいたけませんか!?ちょっと!
そのまま横をすり抜けていった。
新所原駅に到着〜豊橋へ
魅力的な浜名湖をも過ぎ去って、気づけば天竜浜名湖鉄道の終点である新所原駅に到着。

新所原駅には「駅のうなぎ屋 やまよし」があり、改札付近にはタレの匂いが広がっていた。
改札を出ると、

マリだ!個人的にはエヴァの中でマリが良いかもしれない。何がとは言わないけど、良いと思う。何がとは言わないが。
JR東海の新所原駅へ移動。いつものオレンジ色に染まったJRマークがここでお目見え。

新所原駅は静岡県最西端の駅であり、隣の二川駅に移動すると愛知県豊橋市となる。

遠回りだったけどさ
新所原にいつものあいつがやってきた。

その後、豊橋駅に到着。およそ2時間以上の移動であった。そこから更に名古屋へ向かったわけだが、ここでも敢えて名鉄を使って行ってみた。

名鉄の特別車両券・ミューチケットを購入して、名古屋へ。ミューチケットの値段が450円に値上げされていたのには驚いた。
遠回りも良いもんだなぁ
ということで、浜松→第三村(天竜二俣駅)経由→豊橋の移動だった。
JR東海道線であれば約30分、東海道新幹線であれば約12分で到着する区間を敢えても敢えて遠回りで向かってみた。正直、天竜二俣駅から新所原に向かうより浜松駅に一度戻ったほうが列車の本数は多いし、時間もコントロールすることが可能だ。
ただ、エヴァの聖地・ゆるキャンの聖地を実際に自分の目で見つめて、人々の生活にお邪魔することはとても貴重な体験であり、実感することで満足度を高めることができたと思う。
あなたも、少しばかり遠回りだが、第三村に立ち寄ってみては如何だろうか?

