人は歳を重ねても「勝負」しなくてはいけない生き物である。
目次
埼玉と千葉(あと東京と兵庫)に「とんでもねぇ」カフェがあるらしいじゃぁねぇか・・・
自分が高校を卒業するまで「カフェ」「喫茶店」というものに自発的に行ったことがなかった。理由としては単純だ。カフェや喫茶店は「大人が行くような場所であること」「コーヒーを嗜む所」、そんなイメージがあった。また純粋に「コーヒーに対する興味」があまりなかったこともあって店内に踏み込むことはなかった。
しかしだ。今では普通に「カフェ」や「喫茶店」に行ってしまっている。理由は単純だ。別にコーヒーを嗜むところじゃないと気付いたし、そんなに堅苦しく行くような場所じゃない。気づけば予定に時間が有り余るような状況になったならば、自然と時間潰しのために「カフェ」や「喫茶店」が近くに無いか意識するようになった。
ドトールコーヒーにもエクセルシオールカフェにもベローチェにもスターバックスにもコメダ珈琲にも行く。何なら町中で営業している個人経営の喫茶店に行くのにも躊躇いがない。
さらに言えばスターバックスの呪文のような注文もたじろぐこともなく、「あーダークモカチップのトールを1つお願いします。あと、スターバックスアプリで支払います」と言えるようになった。というか、なってしまった。アプリまでインストールして、注文に快適性を持たせようとする自分の適応力に驚くばかり。
そんな自分はコメダ珈琲に行く機会が増加した。時間潰しとしても利用するし、食事する場所としても優秀だからだ。
コーヒーはもちろん、馬鹿みたいに大きい食事類がとても好きだ。カツパンなるものを頼んだり、ソフトクリームを食べたりとテーブルに到着してすぐに貪ってモグモグとする。これが堪らんのだ。
そんなことを職場の同僚に話した。
「最近、コメダ珈琲に2週間に1回ぐらい行っちゃっているんですよ〜」と。ハマっちゃって困っててぇ〜、と。
すると同僚は私の話を一通り聞いた後に「フッ」と露骨に鼻で笑った。
「もっと量が多い、凄いカフェがあるよ」
私は同僚の話し方に嫌悪感を抱く。愉悦感に浸っている表情と口調。全てが気に食わなかった。腹の奥から湧き出てて来そうな苛立ちをグッと押し込んで、
「そのカフェってのはどこにあるの?」と聞く。
すると同僚はまた鼻で笑った。まるで情報屋の如く。
「埼玉と千葉にある『珈琲屋OB』だよ」
珈琲屋OBとは
珈琲屋OBは埼玉県を中心に展開している喫茶店で、隣県の千葉県や東京都さらに関東から遥か遠い兵庫県にも出店している。
ログハウス風の店舗が特徴的で、全店舗でコーヒー豆を焙煎・新鮮なコーヒーを提供することをモットーとしているようだ。
珈琲屋OBの店舗形態は2つあるそうで、
- フルサービス店(9店舗)
- セルフ店(5店舗)
という風に分かれている。
フルサービス店では店員さんが注文を取りに来てくれたり、幅広い料理が提供される。逆にセルフ店ではカウンターで注文、フルサービス店とはメニューが若干異なる・量が少し少ないという違いが存在する。
なんかめちゃくちゃなカフェらしい
そんな珈琲屋OBは同僚曰く、「おかしいという言葉では表現できないほどにおかしいカフェ」らしいのだ。
何言ってだ?
と思わずにいられなかった。
ネットで詳しく調べてみることにした。同僚はスマートフォンを操作する自分を見ながら言った。
「コーヒーを注文するだろ?」
「うん」
「店員さんが持ってきてくれるだろ」
「うん」
「テーブルに金魚鉢が置かれる」
何言ってだ?
あー、これは嘘をついていらっしゃる。話を盛りすぎである。話を盛り上げるためにあることないことを追加してしまうのは人間の性であろう。しかし、限度というものがある。
「はっ、意味わかんねぇ〜」と自分は冷たく言い返してGoogle先生と共に珈琲屋OBについて調べる。するとホットペッパーグルメが特集していた。
『金魚鉢のアイスティー!?ドリンクがとにかくデカい珈琲屋OBに、ヒミツを全部聞いてきた』
昨日、ゲームのやりすぎのせいだろうか?とんでもねぇ文章が並んでら。ページにアクセスしてみる。
するとテーブルに「金魚鉢」が置かれていて、その中にはコーヒーが。私は目が点に。
「なっ言っただろ」同僚は言った。
金魚鉢の中に金魚、ではなくコーヒーやアイスティーが詰め込まれている。なんじゃこりゃ・・・松田優作も驚きというよりも呆れで言ってしまいそうな類である。これは飲みきれんだろ〜と写真を見ながら思っていると、
「パフェがおすすめだな」と同僚が言った。「飲み物よりパフェの方がパクパク食べられるからね。あと量の割に安いし」
「そうなんだ」
「でも、やっぱちょっと量があるからきついと思うよ」
ほぉ。
自慢ではないが、自分はこのサイトを始めてからというもの大食い的なものにチャレンジをしてきている。
ラーメン二郎の本店に行ったり、
ドミノ・ピザの食べ放題にも挑んできた。
これは行かざるを得ない状態になった。きつい勝負が待っているのであれば、勝ちにいきたい。
「なるほどねぇ・・・」
自分の次なる休み、予定が決まってしまったようだ。
ノスタルジック溢れる流山駅から向かう
JR常磐線の馬橋駅からノスタルジック満載という流鉄流山線に乗り込んで、千葉県流山市の流山駅へとやってきた。
駅舎は木造、開発著しい千葉県流山市でありながら閑静であった。

そんな流山駅から歩いて約10分、距離にして800mほど先にある「珈琲屋OB 流山店」へ向かう。
当日は蒸し暑く、地面から熱が体を伝って顔面に到達するという非常に不快極まりない気候。これはパフェ日和だな・・・と思わずにはいられなかった。
道中、長い坂に差し掛かった。気が遠くなりそうなこの坂、登りきった先に、

珈琲屋OB 流山店が現れる。

ログハウス風、一瞬そういうモデルハウスかな?と思わせる出で立ち。流山店の営業時間は朝9時から夜8時30分、ラストオーダーは夜8時となっている。

到着した時刻は当におやつの時間の午後3時。平日の3時という時間だったが、駐車場の半分近くは埋まっていて、周辺にお住まいの人だけにあらず、千葉と埼玉の両方からの利用客を集めているように見えた。
では早速店内へ入ることにしよう。
店内へ
ログハウス風の店舗、入口に近づいていくと中が全く伺えない。本当にやってんのかね・・・?と疑い深く恐る恐る扉へ近づいていくと、中から女性が1人出てきた。この瞬間、少しだけホッとした。

入口付近には板材を使った案内が貼られていたり、扉の取っ手部分が木の枝になっていたりと自然派であることをまざまざと見せつけてくる。
では早速、中へ入る。中に入っての第一印象は想像以上に広いということ。

店を外から眺めているとこじんまりとしているように見えて、中に人が本当に入っているのか?と思わせるほどだった。が、店内の中へ進むと想像以上に「天井が高い」
更に「席数がかなり多い」という印象を受けた。テーブル席が大半となっていて、席数は約66席と十分な広さ・席数が用意されていた。
席は空いてる場所へと店員さんに言われ、近くの空いている席に座る。

椅子や囲い、加えてテーブルがこれまた木材も木材。天井も床も全てが木材。ログハウス風というかログハウスである。言葉に嘘がない環境がそこにある。
しかし注文方法は現代の方法に沿っているようで、

iPadでの注文となっている。こういう喫茶店では店員さんを呼び寄せて、注文内容を聞き取ってもらうことが多い。意外にも合理化が図られているようだ。
注文す
iPadを通してメニューを見ていく。冷たいお飲み物を選択すると、平仮名で表記された商品がズラリと並ぶ。壮観である。

アイスコーヒーは2025年6月現在で530円、アイスオーレだと720円となっている。値段だけを見ればチェーン店のコーヒーよりお高めかな?と思ってしまうが、いやいやよく画像を見てみんしゃいともう1人の自分が冷静をもたらす写っている量がなんか異様に多い。
ホットペッパーグルメが特集したアイスティー以外にも飲み物類は基本的に量が多いようだ。なので、値段以上に量があるので相対的に見れば非常に安い。
Googleマップの口コミを覗き見れば、「飲みきれませんでした・・・」と敗戦を報告する電報的な内容のものもあったりするので、選択は慎重に行くべきだろう。
さぁ、今回の目的である「パフェ」を選ぼう。メニューを操作していくと、自分の眼に飛び込んできた。

バカでかくね・・・?
写真からでも伝わる高さ。そして、ギッシリ感。商品名は「ちょこれーとぱふぇ」と如何にも力の抜けた砕けた感じを演出しているが物量にはどうも圧を感じてしまう。
これが同僚の言っていた「パフェ」いや「ぱふぇ」か・・・GANTZに出てくる「黒い玉」みたいな演出しやがって・・・
ここまで来たからには挑まざるを得ない。甘いものは好きだ。簡単な勝負になるであろう・・・
今は血糖値やら体重やらというしょうもない鎖に巻かれる日々だが、戦いとなったならば力を発揮させてもらおうではないか・・・
躊躇いもなく注文ボタンを押下した。お値段は900円也。
勝負のとき
「パフェの量が凄いんだよ。見た目だけじゃなく、上から下までぎっしり。トッポみたいにね。ファミレスのやつとは比べ物にならない」
同僚はまるで宇宙人と出会った時のように語った。自分はその話を「はいはい、わかってますよ」と適当に受け止めるだけであった。
それはなぜか?
理由としてはどうせ大したものではないのだろう。と思っているからだ。凄い凄いと言われまくって、結果として大層なものじゃないというものばかりな気がするのだ。
1000年に1度の大雨、過去最大のセール・・・そんな言葉が踊り出てくるが蓋を開けるとどうだろう。「そこまでのものじゃない」という感想が出てくる。
今回のパフェだってそうだろう。人によって大盛りの概念というのは変わってくるし、期待値というのは上げるべきものではない。上げるのは最低賃金額ぐらいにしてほしいものだ。テーブルに置かれたとき、「あーやっぱり、これぐらいだよね」と思うはずだ。だから自分は冷静であり且つリアリストのように振る舞える。
注文をして、もうすぐで5分が経過する。まぁ、やってきた時にどんな風に出てくるかだけ楽しみに
お待たせしました〜
自分の左耳に店員さんの声が轟く。声の方向に思わず驚く。
「ちょこれーとぱふぇになりまーす」

ドンッ
とワンピースの擬音のような音がテーブルから聞こえた。私はパフェ、いやぱふぇを凝視した。
「すみません、調理中にバナナとコーンが少し沈んちゃって・・・」
いやいや、ツッコミたいのはそこじゃないんですよ。提供が速すぎやせんかね?注文してから5分もしない内に来たぞ・・・全国展開するファミレスでもそこまで速く提供できないぞ・・・
店員さんに大丈夫ですよ、と伝えていよいよぱふぇを真正面に捉える。まずどんな構造になっているのだろうか。そこが戦いの上で重要なものとなる。
まず表面から。ホイップクリームが中心となっていて、下層部分と上層部分とでハッキリと色が異なっている。
上層部分にはホイップクリームの沼から飛び出すようにバナナが外へ伸びている。

更にその上には「ラピュタ」みたいにワッフルコーンが空へ伸びようかと生えている。そしてホイップクリームに包まれるかのように、まるでコアのようにチョコアイスが鎮座している。
もちろんこれで終わりではない。下層部も存在する。黒くなっていて、何が入っているのか一瞬ではわからない。スプーンを差し込み、取り出してみる。そして口へ運ぶ。

コーヒーゼリーだ。中には大量のコーヒーゼリーが入っている。またその更に下へ進めば「みかん」が入っている。コーヒーゼリーとみかんが混ざり合う空間がそこにある。
写真ではパフェの放つ「圧」を伝えられないのがとても残念だ。高さを表現するならばiPhoneを2台縦に並んでやっと「ぱふぇ」の高さに追いつくほど。また横への飛び出し具合は「トラックの荷物だったら赤旗をつけないとダメじゃね?」ぐらいに飛び出している。これで伝わったはずだ・・・
パフェで腹が膨れる
下層部にあるコーヒーゼリーに上層部分にあるホイップクリームとが混ざり合って、味が時間の経過によって変わっていく。苦みが中心から甘みが増加。また「みかん」も入っているので、酸味もある。

また食べ続けていくと上層部分に揺らぎが生まれる。コーンを撤去することに。
このコーンの中にクリームやゼリーを入れるとまぁ美味い。というか、美味いに決まってラァ!という感じ。

ここで意外だったのが、パフェを食すことによって静かに腹が満たされていく。
予想外にも予想外、中央に鎮座しているチョコアイスがまぁああああ腹にドンと落ちてくるのだ。不思議だった・・・過去にアイスを何度も何度も食べてきたが「アイスで腹が膨れる」感覚は初めてだった。
理由は不明だ。もしかしたら乳脂成分が腹を膨張させてきているのだろうか・・・
またこのパフェ。時間が経過することに普通のパフェじゃねぇ・・・と思い始めた。
甘みがベースかと思いきや、しっかりとコーヒーゼリーで苦みを提供。更にはアイスで冷感を客に与え、コーンや果物類で食感の変化をもたらす。またポッキーを食させることによって食事にギミックを与える。
珈琲屋OBのパフェを侮っていた・・・
パフェという可愛い顔をして、ぱふぇという名の仕事人・・・
恐ろしい!
食べきったぜ・・・
すっからかんになったパフェグラス。

食べ、きっ、たっ!
しかし、腹がいっぱいである。そして、眠気はピークである・・・
ただ、一つ言わせてもらおう。
めっちゃ腹いっぱいだけど、血糖値バク上がりで眠いけど
ドロー!
誰がどう見ても、ドロー、引き分けである。めっちゃ眠いけど。
みなさんも珈琲屋OBを訪れて、どんなパフェいや「ぱふぇ」かご覧になっていただきたい。また、食事類も多く提供されていて、トースター類にはなぜか「ポップコーン」が盛られているらしい。
まだまだ怪物が珈琲屋OBにはいるようだ。いつぞやの勝負に備えておくべきかもしれない・・・と思いつつ、灼熱の千葉県流山市から去ることにした・・・
