夏の高校野球・西東京大会決勝を観に行って、なんかもう全部アツかった(語彙力無し)

夏の高校野球・西東京大会決勝を観に行って、なんかもう全部アツかった(語彙力無し)

夏の風物詩。花火大会に夏祭り、焼きそばにそうめん。かき氷と鳴り止まない蝉の鳴き声。

そして、夏の甲子園。

甲子園のグラウンドへ立つべく高校生たちは灼熱、いや焦熱地獄と化す東京の真ん中にある神宮球場で戦う。

それがもう、いやもうね、アツかったんすよ・・・(語彙力皆無)

そういえば、高校野球を現地で観ていない

7月29日、朝9時30分。東京は信濃町駅。なぜ私はここにいるのかと言うと、「高校野球」を観に行く。

「しなのまち」なんですね、「しなのちょう」だと思ってました

この日は夏の高校野球・西東京大会の決勝戦が行われる。西東京大会の決勝戦は東海大菅生と日大三高が進出。東海大菅生は春の都大会では準優勝と勢いがあり、日大三高は2年ぶりの甲子園出場を狙う。

会場はプロ野球・東京ヤクルトスワローズの本拠地でもある「明治神宮野球場」だ。

前日、7月28日にはもう一つの大会・東東京大会に決勝戦が開催され、関東第一が岩倉を抑えて優勝。昨年は準優勝という結果だったが、それを見事に乗り越えて甲子園出場を決めた。

偶然、東東京大会の決勝戦をテレビで見ていた。テレビに映し出される観客席にはまぁ人が入っていた。高校野球を熱心に見に行こうとする人がいるんだなぁ、いやいや関心関心。みたいなことをコーラ飲みながら思っていると、

そういえば、高校野球を現地で見てないな・・・

と思ったのだ。高校3年生だった時、自分の高校が出場する際に応援へ駆り出された時以来一度も見ていない。

東東京大会の決勝戦が終わった後、神奈川大会の決勝も放送されていて、あの横浜スタジアムが満員御礼・札止めという状態。なんだかテレビ越しに感じる熱に感化されて、

ちょっと・・・高校野球を見に行くか!

と思ったのだ。ちょうど平日休みだった自分は神宮球場で開催される決勝戦を見に行こう!と思ったわけだ。

朝9時30分、もうすでに東京は

さて、場所を神宮球場周辺へ移そう。周辺の温度はというと

朝9時30分時点で「32度」

頭おかしい・・・

こんな気温の中になるのもおかしいし、こんなバカアチィ時間からプレーボールとなるのもおかしい。

しかし、暑さにブーブー言いたい気持ちで一杯の自分の横をスルスルッと人が抜けていく。信濃町駅を出て、みんな同じ方向に進んでいく。そう平日の朝9時でありながら多くの人が神宮球場へ向かっている。

向こうには青山一丁目がある。写真だと綺麗なのに現実はバカアチィんだぜ・・・

空は快晴。だからこそ、空からトンデモナイ太陽の光線が注がれてコンクリートからの照り返しが痛い。それでもしょうがない。行きたい気持ちを腐らせるわけにはいかない。現地へ足を進める。

聖徳記念絵画館は工事中。

明治神宮野球場が近づいてきた。今年の3月に行われたオープン戦・ヤクルトvsオリックス以来だ。あの時はマウンテンパーカーを着て観戦していたが、今日は半袖白Tシャツ。たった数ヶ月で気候が変わりすぎだ!

暑い。本当に暑い!

球場内へ

神宮球場に到着。野球場の位置からすれば丁度バックスクリーン裏の方。

JINGU STADIUMって文字がなんか気になる

東東京大会・西東京大会共に入場料金が必要になる。今大会は1000円だ。学生さんだと学生証持参で500円となる。もう学生証という言葉が遠い年齢になっちまったなぁ・・・となぜかこの時しみじみと思ったのだ。

もう自分は学生という言葉から程遠い年齢になっちまった・・・

チケットは以下の通り。如何にもチケットである。これ以上のチケットは無いという完璧なチケットである。

THEチケットであります

さあチケットを手に入れたなら入場だ。バックスクリーン側の入場口へ足を進めると、「内野席から外野席へ移動することはできません」的な注意書きが。

あれま。これ再入場できるのかなぁ・・・?と思い、近くのスタッフさんに「再入場ってできます?」とパチンコ屋の換金所はどこです?的な感じで聞くと、「はい、できますよ」と素早い返答。

東京の大会ではこれまで再入場不可なんてこともあったそうだ。また地域によっては「再入場不可」という大会もまだまだあるそうなので、確認したほうが良さげだ。

ならまず最初は内野席で観覧するか。と思いつつ、はてさてどちら側の入口へ向かおうか?とちょいと悩んだ。

バックスクリーン裏から右へ行くと3塁側、左へ行くと1塁側へ行くことになる。人の流れを観ていると殆どの人がチケット売り場の位置も関係するからか1塁側へ進んでいく。それを観ていた私は、

じゃあ1塁側へ行くか。

と決めた。ある意味の判官贔屓である。

1塁側は日大三高側だった。プレーボールが目の前に差し迫った9時55分に着席。球場内の内野席はすでに多くの人たちが座っていた。

平日ですよ・・・働けってんだよな・・・

試合が始まり、周辺のアツさに圧倒される

試合開始前の整列。綺麗な一直線を描く選手たちの姿は圧巻だ。

この1試合で全てが決まるかもしれない。そう思うと、こっちも緊張する

この試合の結果が全て。勝って甲子園に行けるか、それとも負けて自宅のテレビで甲子園を眺めることになるのか。そんな人生の厳しさのようなことを高校生達がやってのけようとするなんて。まだ試合が始まってすらいないのに、なんだか感情的に考えてしまう。

大都会の真ん中で戦うってどんな気持ちなんだろうか?

試合は両チーム共に1回と2回は無得点で終えた。この時に自分が思っていたのは、意外と強く応援する人たちが多いということだ。

もちろん高校関係者の熱というのは高いに決まっている。応援団とチアリーダー達の動きはこんな酷暑いや焦熱な神宮球場の中でも一糸乱れずの動きを見せていた。喉が裂けんばかりに叫ぶ同級生たち。

そのアツさに負けない一般客が凄かったのだ。

自分が高校生だった時、球場へ足を運んだ際の観客達はじっと野球を観ているだけ。「高校野球やってんのか、ちょっと観てみんべ」という、どうせ軽トラックで来たんだろ?とツッコミたくなる秋田のエンジョイ爺さん勢が大半だった。

しかし、この試合は違った。まるでプロ野球のように、一球一球身体を前のめりにさせてグラウンドを観ているおじさんがいたりヒットが出れば「よーーーーーーし!」と叫ぶ、褐色肌のおじさんいたり。

関東へ引っ越してきて、職場とかでの高校野球の人気がなんか異様に高いな・・・とは思っていた。しかし、ここまでとは。自分が卒業した学校への母校愛というのがそれぞれ強いのだろうか?

東京や神奈川といった地域に長年お住まいの人たちは、学生卒業後も同じ地域に長らく住まいを構えることが大半だろう。「上京」という環境の変化が乏しい分、地元愛・母校愛というのが形成されやすいのかもしれない。それでも、たかが高校生の試合に熱くなれるなんて。いやされど高校生の試合。これは特筆すべきポイントだろう。

改めて高校野球というのは凄いと徐々に熱によって脳機能が失われつつも感じた。

焦熱の中のシーソーゲーム

試合は3回。日大三高が3点先制。

自分の座っていた座席周辺はもうお祭り騒ぎ。日大三高の応援団からは離れていたが関係ない。熱に更に熱が帯びていくその様はすごかった。うん。語彙力が皆無になるほど、すごかった。

しかし試合は4回。東海大菅生が反撃。2点を追加。

グラウンドの向こう側に陣取っていた東海大菅生の応援が息を吹き返す。この時、日大三高側は先制したマージンが・・・なんて感じに幾ばくか重たい雰囲気が漂い始めていた。

特に自分の後方に座っていた男性は落ち着きがなくなっていて、5回に東海大菅生が逆転するとなれば、強いため息を吐いていた。

肩越しに男性をチラ見すると、落ち着け・・・落ち着け・・・まだ試合は5回だ・・・落ち着け・・・と言わんばかりに、バカアチィ中でも目を瞑っていた。

試合は動きに動く。5回の裏。日大三高の攻撃。

逆転を許し1点差という場面。重たい雰囲気の広がる日大三高応援団だったが、一挙に3点。もう3塁側は狂喜乱舞、後方に座っていた男性は息を吹き返すとはこういうことだ言わんばかりに打球が飛べば「いけぇ!」と東京競馬場に来ちゃったかな?と思うほどに叫んでいた。

5回が終了、クーリングタイムへ。

暑い中のグラウンド整備は大変だ

気づけば気温は35度。こればっかしはクーリングタイムは必須。アナウンスと共に座席に座っていた人たちは一斉に動き始め、神宮球場内部は混雑することに。

自分は折角なので、内野席から外野席へ移ることにした。後方に座っていた男性がこの先どうなっていくのか、気にならないと言えば嘘になる。しかし、ここは外野席への興味を捨てきれなかった。

外野席へ。そして、優勝

バックスクリーン側の入場口へ移動し、今度はライト側の座席へ。応援団としては東海大菅生が近い状態に。

人生で初めてプロ野球が開催される球場の外野席へやってきた。遠いかな?というイメージがあったが、いやそんなことは無かった。意外と投球された瞬間やバッターの動きがハッキリと見える。何なら先程までいた内野席よりも臨場感があった。

試合は中盤の動きから一変。終盤に差し掛かっていくと点が入らなくなった。

特に7回。東海大菅生は1アウト3塁というチャンス。点差を縮めたいところだったが、残念ながら後が続かない。

この時、東海大菅生の応援団を眺めていた。野球というのは不思議なもので、まだ攻撃は2回残っている。点差は2点、逆転は十分にあり得る。しかし、点が入らないことによって生み出されるドギマギ感というか、もう後がないよ・・・という空気が広がりつつあるように思えた

サッカーやラグビーみたいに時間があるわけでもないのに、野球のあの感じは本当に文章では表しづらい。高校野球もまた例外ではない。

試合が進んで8回。日大三高が2点を追加。真反対に位置する日大三高の応援団の声が轟く。それに反して東海大菅生は静まり返ってしまった。

自分は更に東海大菅生の外野手に注目していた。追加点が決まり、向こう側から歓喜が沸き起こっているのをまんじりと受け止めていた。こんな状況下、自分が高校生だったら打ちのめされるなぁ・・・と心の奥が痛む。

そして9回。東海大菅生は4点差という厳しい状況、それでも一縷の望みをかけて応援団は声を上げる。しかし、日大三高はしっかりと三者凡退で抑えて、

試合終了。日大三高が夏の甲子園出場を決めた。

熱い、暑い、アツい

試合時間は2時間40分。気温は36度を越えようかという気候。この暑さの中で皆が真剣に試合を眺め、高校球児たちは甲子園出場を目指して闘い抜いた。

熱中症対策が叫ばれる世の中、高校野球も変わっていくところもあるだろう。しかし、35度という温度よりも高校野球へ掛ける思いというのをこの身で体感できたのはスゴく良かったと思う(語彙力無し)。この熱さは時代が変わっても残り続けていくはずだ。

甲子園出場を喜ぶ3塁側、あと一歩の所で逃した1塁側。

そんなコントラストを眺めながら、私はバックスクリーン裏にある出入り口から球場を後にした。