今回の記事、長いです。めちゃ長です。ちなみに当サイトで一番長い記事となっております。(約1万2千字)
[更新]2025年9月15日 7:14 一部誤表記を修正しております。予めご了承ください。修正前/しかし、秋田市は外旭川地区での計画案に消極的な姿勢を見せ、結果として立ち消え。
修正後/しかし、秋田県は外旭川地区での計画案に消極的な姿勢を見せ、結果として立ち消え。
8月下旬、秋田に帰省。親が運転する景色を見て思うのだ「やっぱり秋田って何もないな」と。
しかし、秋田の中心でJリーグが開催されているそうじゃあないか。何も無いと思っていた街にも「何かがある」なんて素晴らしいことだ。そのサッカーチームはスタジアムを欲しているそうだ。
ただ、欲しいと言って作れる代物じゃないし、様々な問題が積み重なっている。人気が無いから作らなくて良い、金の無駄から作らなくて良い。と現実もSNSも喧騒で賑わっていいる。
ただ、本当に何も無い秋田にスタジアムは必要なのだろうか。データを集めてばかりじゃわからないこともあるんじゃねーの?なーんて。
ジャーナリズムと勘違いした行動力30%、試合で得た感想30%、スタジアムについて考える30%、そして秋田のこれからを更に憂う10%の合計100%でお送りする記事である。
目次
秋田って何も無い。それは変わらんよ。
気付いたら今年で秋田を発って10年が経過していた。東京で仕事をするようになり、人混みはあまり得意ではないが初めて東京で降り立ったときよりも東京という大都市に慣れてしまった。
慣れによって生じる副作用はここ最近酷いものだ。実家には半年に一回のペースで帰省するわけだが、その度に「秋田の朽ちていく様」を感じている。
羽田空港から秋田空港へ到着した際に周辺は山・山・山。そこからバイパス道路を使って秋田市内へアクセスするわけだが、空き家や空きテナントにスクラップとなった住居。それらがずっと車内から見えてしまう。
あんなに栄えていると思っていた秋田市内でもこうなら、他の市町村は悲惨である。
秋田県はここ最近「人口減少」に歯止めが掛からない。8月19日更新のNHKニュースで「秋田県の人口減少率 12年連続 全国で最大」というニュースが飛び出した。
ことし1月1日時点での秋田県の総人口は90万7500人あまりと、前の年よりおよそ1万7000人減り、人口減少率は12年連続で全国で最も大きくなりました。
加えて異次元レベルの高齢化社会。秋田県での高齢化率(総人口に占める満65歳以上の方の割合)は40.3%と2人に1人が高齢者というレベルにまで達している。
素人目からしてみれば、打つ手無しのレベルに近づいてきているんじゃないの?と思うようなニュースばかりだ。
そんな中、秋田空港を出た後に迎えに来てくれた母が「ジェラートでも食べに行こう」と言い出した。
場所は秋田空港から近いところにある「秋田国際ダリア園」の中にある「ジェラテリア yuwa」だった。ここが美味しいそうだ。
そこでは多くのジェラートが用意されていて、自分は「ブルーベリーのソルベ」を頂いた。大変美味しいジェラートだった。
そんな店内にとあるサッカーチームの案内が貼られていた。それは「ブラウブリッツ秋田」だった。
そういえば、秋田でサッカーを見たことが無かったなぁ・・・と頭の中で思ったのだ。調べてみれば今度の土曜日に試合があるそうだ。
そんな中に「ブラウブリッツ秋田 スタジアム」という検索ワードが目に飛び込んできた。

ブラウブリッツ秋田はスタジアムを欲しているのだ。が、様々な問題があって頭のいい大人たちを動き回している。
ちょいと、ブラウブリッツ秋田について知ろうじゃーん
その前に、ブラウブリッツ秋田ってなんだいな?ということで、チームの歴史をサラッと見ていこうじゃーん。
ブラウブリッツ秋田はサッカープロリーグであるJリーグの2部・J2に所属するチームで、本拠地は秋田県全体としている。
前身は電子部品メーカーの「TDK」の社会人サッカーチーム・TDKサッカーチーム。
2010年からクラブチームに変更され「ブラウブリッツ秋田」へ名称変更となった。そこから2014年に念願だったJリーグに参加。最下層であるJ3からのスタートとなった。
チームは2017年の最終節で逆転優勝を果たす。秋田に本拠地を構えるプロスポーツチームとしては初となるタイトル。
しかし、J2昇格とはならなかった。理由としては昇格に必要な「クラブライセンスが未交付」だったからだ。理由としては「スタジアムの施設条件がクリアされていない」からだった。
その後、チームは2020年に再度J3優勝。
ついに…!ついに…!
— ブラウゴン(公式)🐲 (@blaugon_bbakita) November 18, 2020
J3優勝とJ2昇格が決まったゴン😭😭😭
大阪まで駆けつけてくれたみんな✨✨✨
秋田で応援してくれたみんな✨✨✨
本当に応援ありがとうだゴン🥰🥰🥰
残りの試合と来シーズンも #ブラウブリッツ秋田 の応援よろしくお願いしますゴン😆😆😆#ブラウゴン https://t.co/erSPpTkISQ
前回とは異なりクラブライセンスは交付されていたため、J2昇格。ちなみにこの年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大期でもあったため、特別ルールで開催された天皇杯は準々決勝から出場、チーム初となる準決勝へ進出している。
スタジアム問題を知ろう。ってもまぁ面倒なものばかりなんですわ
さて、ここからはブラウブリッツ秋田が抱える「スタジアム」についての問題だ。この項目では「スタジアム問題」として取り扱っていきたい。
2025年8月現在、ブラウブリッツ秋田の本拠地はソユースタジアムとなっている。場所は秋田市の八橋運動公園内にある。Googleマップによれば3kmほど先にある。
前述の通り、ブラウブリッツ秋田はJ3初優勝の際にはスタジアムの設備が不十分といった様々な理由でJ2クラブライセンスが付与されなかった。
当時は秋田市八橋運動公園球技場(2018年まであきぎんスタジアム)が本拠地となっていたが、収容人数は5000人以下で照明設備の貧弱さが問題視されていた。その後、2020年シーズンから現在のソユースタジアムを本拠地に構え現在は収容人数が18000人規模に広がった。
しかし、このソユースタジアムもまた設備が不十分であると指摘されている。
観客席を覆う屋根の不足、トイレ設備の貧弱さ、バリアフリー、スタジアム全体の老朽化・・・
正直、上げようと思えばいっぱい上げられる程の内容だ。そんな状況であるが自治体側となる秋田県が主導でスタジアム整備についての「協議会」を発足させている。この際に新設・改修それぞれで検討された。
自治体とクラブとの足取りの悪さ
スタジアム建設の候補地に「八橋運動公園」「秋田大学」「地元企業・秋田プライウッド」の土地が候補となったが、秋田県と秋田市は2020年に何れも不適・建設地には不向きと判断。最終候補地を選定することができず。
その後、2020年に新型コロナウイルス感染拡大と被り、スタジアム建設の先送りという見解が秋田県によって示された。
スタジアム問題がずっと停滞していたのかというと、そういうわけでもない。
2021年ごろには前秋田市長の穂積市長は秋田市郊外の外旭川・秋田市卸売市場の規模を縮小し建て替え、余剰となった土地を利用してスタジアムなどを併設する「まちづくり構想」を明らかにする。
まちづくり構想には「イオンタウン」が選ばれ、イオンタウンからも概略図が提示されるなど、大きく展開を見せていた。
しかし、秋田県は外旭川地区での計画案に消極的な姿勢を見せ、結果として立ち消え。
その後も整備事業を推し進める上で財源確保が困難であるとか、県と市とクラブの負担額を決められないこと、経済効果が不透明であるとか。様々な理由で足取りは揃えきれず。
結果として2023年にJリーグからはスタジアム建設による進展がないと指摘され、2024年以降のJ1・J2ライセンスの交付がされないことが示唆されてしまった。
そしてあれよあれよと気づけば秋田県知事・秋田市長選挙が行われ、新たに知事・市長が選ばれ、早速秋田市長は外旭川での計画は白紙にする方向を示した。
というのがスタジアム問題の大体の概略だ。本当は1つの一次情報源で確認できるものがあれば良かったが時間の経過によって削除してしまうメディアが多く、追いかけるのも容易ではなかった。
ぜひ、そういう情報は後年の研究・収集のためにも残しておいてほしいものだ。いやあなたに言ってんですよ、秋田魁新報社さん。
さて、自分が見つけ出した情報の中には1次情報が不足した噂というか情報が多く、掲載するのもどうかね・・・?というものが多かった。なので、ここでは掲載していないので悪しからず。そういうのが見たいなら、ゲスい情報を取り扱うYoutubeや個人ブログ・SNSをご覧になってほしい。
スタジアムはいらないという人もいるのも事実
Jリーグのスタジアム問題に付いて回る揶揄がある。「税リーグ」という言葉は無視することは出来ない。
Jリーグの各クラブの多くが自治体が運営・所有する施設を使用して試合開催・練習している場合が多く、また今回のようなスタジアム建設にも公的資金つまりは税金が使用されることが多くある。
またJリーグ各クラブの中には経営状況が厳しいチームも存在する。
本来、民間団体であるサッカーチームがなぜ公的資金に頼っているのか?という疑問から「Jリーグのチームは人気がない」という所に着地し、従来よりJリーグに批判的な人々に結果として揶揄する「税リーグ」という言葉が広がった。
また秋田のスタジアム問題についても公的資金・税金の使い道による批判も当然ある。
秋田市に寄せられたコメントが以下のページにある。
内容は税金投入への批判や「公共性の高い施設活用」の要望を強く訴えており、スタジアム建設に対する説明や合意形成の透明性が求められている。
ANA総合研究所が発表した「Jリーグは誰のものか」というレポートもあるのでお読みになってみては如何だろうか。Jリーグが抱える問題点を忌憚なく掲載している。なので、Jリーグ批判をしたい人からすれば聖書的、Jリーグ好きからすれば目が痛くなるものだ。
まぁ、フリューゲルスを潰したANAがよく出せたなぁ・・・と感心というか畏怖というか。そんな思いです。
ちなみにピクシブ百科事典には「税リーグ」の項目があり、めちゃくちゃ長いので、まぁお読みになってみるのも良いのかなぁ・・・と思う。
ただ、個人的には編集した人の主観が多いような・・・とも感じるのでご参考程度で。
ただまぁ、電子の世界ばかりでは判断できねぇべ
長ったらしくお送りしたわけだが、過去の情報・存在するのかわからない人たちの賛成・反対意見ばかりを見て判断するのはあまりよろしくはない。
自分がやるべきことは「実際に行ってみて、問題を深堀りする」こと。それだけだぜ・・・!(流し目・・・!)
ということで、母が運転している横で秋田のスタジアム問題を深堀りするためブラウブリッツ秋田の試合を観に行くことに決めた。
ここからは試合観戦記へ突入である。
次ページへアクセスして、カワバタテツヒロ先生の次回作にご期待ください!