突然だが、皆さんは「ハンバーガーのお店」といったら何を思い浮かべるだろうか。
牛丼チェーン店であれば「吉野家」「松屋」「すき家」の3つが上げられるはずだ。コンビニであれば「セブンイレブン」「ローソン」「ファミリーマート」といったところだろう。
さて、あなたが思い浮かべている店舗を当ててみることにしよう。
あなたの頭の中に浮かぶお店には英語の「M」が入っていることだろう。図星だろうか。
では次に、「てりやきバーガー」なる商品を発売してはいないだろうか。
今あなたが思い浮かべている店舗は2つ。1つはオニオンリングやライスバーガーも発売していたりするあの店だろう。
そして、もう1つ。もう皆まで言うなというレベルだろう。もう1つは王道も王道の、
「ドムドムハンバーガー」だろう。大正解なはずだ。
目次
ドムドムハンバーガーとはなんだいって話ですよ
『ドムドムハンバーガー?違ぇよ!』
ち、違う!?
純日本産のハンバーガーチェーン店でおなじみの「ドムドムハンバーガー」じゃないのかい!?いやぁ悲しい話だ。
ここでハンバーガーチェーン店の店舗数データをご紹介しよう。
黄色い「M」のマークでおなじみなあのチェーン店は2024年度10月時点で2978店舗も日本国内に店舗を広げている。もちろん日本一の店舗数である。もはやアメリカ資本主義の日本侵略と同然である。
2位には同じMのマークを掲げるあの店舗がランクインする。グループとしての店舗数は1764店舗、単体としては1312店舗もある。
そしてその2店舗を、フライドチキンおじいちゃんや日本より韓国の店舗数が多いというあのチェーン店が追いかけている。
そんな激戦も激戦なハンバーガーチェーン界隈であるが、日本国内で最初のハンバーガーチェーンはどこだかご存知だろうか。
いや、違う。あなたの頭の中に浮かんでいる、最近見かけないピエロでお馴染みのハンバーガー店ではない。そう。前述の「ドムドムハンバーガー」が日本で一番最初のハンバーガーチェーン店なのである。
『だからなんだよ』
だから、その、日本で最初のハンバーガーチェーン店を特集していこう!という記事でありまして、
『そんな店、近くにねぇって』
まぁ、その気持ちもわかる。
というわけで、そのドムドムハンバーガーがどんな歴史を歩んできたのかを少し見てみることにしよう。
ちょっと歴史を見る
昭和45年、1970年に東京都町田市「ダイエー原町田店」でダイエーはハンバーガー店をオープン。そこがドムドムハンバーガーの第1号店となった。
このオープンは黄色い「M」のマークでおなじみのあのチェーン店よりも早いものだった。
ダイエーは時代の流れに乗り、日本一の流通・総合スーパーとして店舗を拡大。
ドムドムハンバーガーもダイエーの繁栄と共に店舗数を増やしていき、1997年には355店舗という数字を記録している。
この355店舗を2024年現在のランキングに照らし合わせると、フレーバーポテトでおなじみの店舗や王様を自負しているあの店舗や絶品なんとかバーガーなる商品を発売するあの店舗よりも上の順位に入る。それだけダイエーの勢いが強く、またドムドムハンバーガーもその勢いに乗れていたことがわかる。
ただ、1990年代にダイエーはバブル経済の崩壊と共に経営不振に陥り、2000年代に入るとダイエー自体の店舗数が減少してしまう。それと同時にドムドムハンバーガーも店舗数を縮小。
結果、ダイエーは2015年に同業他社でライバルだったイオングループに入ることになり、ドムドムハンバーガーも2017年に親元を離れるがごとくダイエーの傘下から離れている。
ドムドムハンバーガーとの出会いと完全制覇への興味
では、なぜ今回の記事でドムドムハンバーガーを取り上げることになったのか。少し語らせてほしい。
会社の同僚がとある時にこんなことを言った。
「幕張にドムドムバーガーができるらしい」
ドムドム…なんか聞いたことはある。自分は薄い反応しか返せなかった。地元には無かったし、住んでいる場所の近くにもないから。
所在地を私に教えるために同僚はGoogleマップを見せてきた。幕張メッセの最寄り駅である海浜幕張駅の近くにドムドムハンバーガーが店舗を構えていた。
同僚は言った。
「ドムドムハンバーガーはもう店舗数が少なくなっていて、ニュースになってた」
へぇ、そうなんだ。その時はそれで終わった。
その後、地元の友人達と岩手県をドライブすることになった。小岩井農場に中尊寺と有名な観光地を巡った。その道中、私はGoogleマップでなにか目ぼしいものがないか探していた。その時にドムドムハンバーガーの表示。
店舗が減っているというドムドムハンバーガーがなぜ岩手にあるのか?という疑問もありながらも、ドライブで沸き立った興奮状態を利用してドムドムハンバーガーを経験したいと思った。
「ドムドムハンバーガーが近くにあるから、寄ってくれ」
私の熱い興味とは違い、友人たちの反応は冷ややかだった。そりゃそうだ。ハンバーガーを食いたいからわざわざ寄ってくれというのだから。
わざわざ帰り道から外れて、ドムドムハンバーガーのある店舗へ向かった。ドムドムハンバーガー 江釣子店でビックドムを買った。友人たちの分も含めて。
初めてのドムドムハンバーガー。食べると、まぁ普通。超うまい!とは言い難い。
友人たちも、「普通のハンバーガー」「わざわざ寄る必要があったのか?」と強く言われた。それが初めてのドムドムハンバーガーだった。
ただ、その後も興味は薄れることはなかった。希少性のあるハンバーガー店であることを知り、輝かしい時代から苦しい時期を経て、新たな境地へたどり着いたことを知る。ますますドムドムハンバーガーを気にするようになった。
そして、調べると関東には14店舗しかないこともわかった。
これは関東全店舗を制覇することが出来るのでは?その思いから生まれたのが、今回の記事である。
三ツ境駅へ行く
さぁ、前置きが大変長くなってしまった。ここからは「ドムドムハンバーガー・関東全店舗制覇」を始めていこう。
記念すべき1店舗目は、「ドムドムハンバーガー 三ツ境店」だ。
三ツ境店の最寄り駅は相模鉄道・相鉄本線の三ツ境駅である。相鉄横浜駅から最速で20分程度で到着する。相鉄線の快速、通勤急行、東急東横線・目黒線直通列車の各駅停車、JR直通列車の各駅停車が停車する。
駅構内にはヘアカット専門店の「QBハウス」があったり、マッサージチェアーが並んでいるという異色なマッサージ店があったりする。


到着した時刻は平日の13時。改札を出てすぐのところには広場があったり、駅ビルの相鉄ライフがあったり、鳩がバサバサとぶっ飛んでいたりと活気があるように見えた。

そんな広場の近くに南口がある。階段を降りて、歩いて数分の場所に「イオンフードスタイル 三ツ境店」がでんと構えている。そこが、今回の目的地だ。
イオンフードスタイル 三ツ境店へ行く
イオンフードスタイル 三ツ境店は大きな看板が特徴的で、駅の広場からも見えるほどだ。

三ツ境店は2階建て。1階にイオンフードスタイル、2階に家電量販店の「ノジマ」や100円ショップの「セリア」がある。

この三ツ境店、ドムドムハンバーガーが入居しているということはフードコートがあるのだろう。と私は考えたのだが、どこにもフードコートらしき場所はない。
ならどこにあるんだ?とうろちょろしていると、レジの真横という場所にあった。

写真に写っているのが「ドムドムハンバーガー 三ツ境店」である。ちなみにドムドムハンバーガーの真ん前は普通にお菓子の陳列棚である。


イオンフードスタイルについて
少し巻き戻って、イオンフードスタイルというのはイオンとどう違うのだろう。少し調べてみる。
日本食糧新聞社の記事によると、イオンの傘下に入ったダイエーは新店の屋号に「ダイエー」と「イオンフードスタイル」を使い分けていくことになったという。
広域からの集客を見込めるような店舗には「イオンフードスタイル」を、店舗の近くに人が多く滞在するような地域には「ダイエー」を使うというやり方を採っているそうな。
そのやり方に沿って初めてとなる店舗が「ダイエー 豊洲店」だ。
豊洲店の近くには高層マンションが立ち並んでおり、集客が見込めるということで「ダイエー」が店舗名に入っている。ちなみに「ダイエー」の名が入る新店舗は4年半ぶりだったそう。
で、三ツ境店はというと元々は「ダイエー」だった。店内に表示されていたフリーWi-Fiの案内には「Daiei」の文字が入っていたし、クレジットカードの決済では店舗名が「ダイエー 三ツ境店」という表記だったりと、ダイエーの残り香が未だにある。
ダイエーだったことを考えれば、イオンフードスタイル 三ツ境店にドムドムハンバーガーがあるのも納得できる。
ドムドムハンバーガーで買う
ドムドムハンバーガー 三ツ境店のメニュー表はこちら。

ドムドムハンバーガーのホームページで案内されている値段と変わらない。ドムドムハンバーガーではドコモのポイントサービス「dポイント」を利用可能で、三ツ境店でも利用可能だった。(一部店舗では利用できない場合もあるので注意)
今回は関東全店舗制覇という記念すべき回。ということで、メニュー表の右上にある「ビックドム」を単品購入。ちょっとまだ、カニバーガーには手が出せない。

商品の提供まで時間が掛かると案内され、フードコートでよく見る呼び出しベルを渡された。
ちなみに、三ツ境店の口コミをチェックしてみると、呼び出しベルを上手く利用して「ハンバーガーが出来るまで日用品をイオン内で買っています」という猛者もいるようだ。
男子高校生が…
ビックドムが出来上がるまでの時間、私は店舗の真横辺りで待っていた。すると、一人の男子高校生がレジ前に現れ、ドムドムハンバーガー内の店員さんに声を掛けた。
「あの、クレープ買いたいんですけど」
私は心内で笑った。「いやいや、ここはドムドムハンバーガーだ。お兄ちゃん、間違えてるぜ…」と優しく諭す。すると、女性の店員さんが「あっ、はい」と言って店を出ていき、ドムドムハンバーガーの真横にある店舗の中へ入っていった。
ドムドムハンバーガー 三ツ境店の真横にはクレープとジェラートを提供する「ディッパーダン」がある。その中へ女性の店員さん勢いよく入っていく。
私はその光景の意味がわからなかった。なぜ、ドムドムハンバーガーの店員さんがディッパーダンに?ハンバーガーも作って、あなたはクレープも作るのかい?と思った。
後にわかったことだが、2017年7月にドムドムハンバーガーの経営をドムドムフードサービスへ譲渡するまで、ダイエーの子会社であるオレンジフードコートがドムドムハンバーガーとディッパーダンを運営していた。
それもあって、ドムドムハンバーガーとディッパーダンが並び合っていたり、キッチン自体が繋がっているところもあるそうだ。
キッチンが繋がっていれば、ドムドムとディッパーダンの2つを回す店員さんも存在するそう。なので、ここ三ツ境店もまたハンバーガーとクレープを作り出すという店員さんが存在した。ということだった。なんだか、不思議な光景を目の当たりにした気分だったが勉強にもなった。
ちなみに、前述のドムドムハンバーガーの経営を譲渡したオレンジフードコートはディッパーダンに注力している。
ディッパーダンの店舗数は2024年9月時点で150店舗という数字を記録している。
ドムドムハンバーガーを食べる
およそ5分ほどでビックドムが完成。今回は店内で食べることにする。とは言っても、ドムドムハンバーガーの近くにはテーブルや椅子がない。
じゃあ、どこで食べるのかというとイオンフードスタイル内にあるイートインスペースで頂くことになる。このイートインスペースはレジ近くにあることもあって、利用者が非常に多かった。
そのため、座れる座席も限られているので持ち帰りを検討することも視野に入れておいたほうが良いかもしれない。
渡されたビックドム。ビックドムバーガーというフォントもまた特徴的だ。

バンズの間には2枚のパティ。そして、瑞々しさを感じるキャベツ、そして中にはケチャップという構造。

出来立てということもあり、パティからはアツアツの肉汁が出てきた。またキャベツもシャキシャキとしていて食べ応えがある。普通にうまい。
ドムドムハンバーガーを評価する際によく見かけるものとして、黄色い「M」のマークの店舗と素材重視の「M」のマークの店舗との、その中間にドムドムハンバーガーが位置するというのがある。
これは言い得て妙なところである。ドムドムハンバーガーは高級感があるわけでもなく、かといって商品は簡素や質素なものかと言われるとそうでもない。という、独特な立ち位置にいるような気がする。
またそれらのチェーン店よりも特徴的な商品が多く、やばいハンバーガー屋という側面もある。
美味しさという観点もそうだが、奇抜さのメニューも存在するドムドム。今後はそちらにも注目していきたところだ。
1店舗目終了
というわけで、「ドムドムハンバーガー関東全店舗制覇への道」の1店舗目「三ツ境店」の紹介だった。

残すは13店舗。すぐ終わるのか、それとも長い年月が掛かってしまうのか。それは神のみぞ知る!ということで、2店舗もお楽しみにしていただければ、これ幸いである。
と、ここまでが皆さんにお見せする予定だった内容である。まぁ、内容としてはオーソドックスなものだ。
ドムドムハンバーガーに興味があって、関東にある店舗を数えると14店舗しかないことがわかった。なら、関東全店舗を制覇する記事を作ってみよう。というのが私の思ったところであり、実際に三ツ境店を訪れた。ということだ。
ただ、この記事を作る前に気になることがあった。
「関東全域で14店舗なら、全国にドムドムハンバーガーは何店舗あるのだろうか?」
アメリカ資本主義の権化とも言える、あの「M」のマークが特徴の店舗は2000店舗も超えている。
ならドムドムハンバーガーは?と数えてみると、全国で29店舗しかない。
そう。30店舗もないのだ。
最近こそ、東京の東大島や大阪の阪神電車・千船駅近くに新規店舗が開店したりはしているものの、店舗が多いという印象はない。
へぇ、30店舗もないのか。そこでなんとなく。誰にも見られていないXにポストした。
そして、この記事を作り始めた。
そして翌日、Xの通知欄に「1」が灯った。珍しい。あまり、このアカウントに反応はないのに。そして、確認すると「いいね」が押されていた。
その相手が表示される。

ドムドムハンバーガーと藤﨑忍さん??????
なんと公式のドムドムハンバーガーと運営会社であるドムドムフードサービスの藤崎忍社長より「いいね」を貰った。
社長である藤崎忍さんは、異色の経歴をお持ちの方でありながら、窮地に陥っていたドムドムハンバーガーを回復させるという敏腕社長で有名なお方。
テレビ朝日の人気番組「激レアさんを連れてきた。」にも出演されたこともあり、色んな経済関連のメディアにも出演されている。
まぁ、ドムドムハンバーガーについて投稿しているのに「いいね」を付けていらっしゃるのだろう。
別になんてことのない。社長直々に反応を頂いた。それだけのことだ。それだけのこと・・・・・
・・・・・・
「いいね」を貰ったことで私の頭の中では国会の如く、自分と自分が論戦を始めた。特に自分の中にいる野党が騒ぐ。
関東全店舗で良いの?なんかもっと、スケールでかい方が良いんじゃない?
関東+関西全店舗制覇の方が良いと思いますけど。
あのポスト的に全国制覇出来る!的な感じしない?
で、でも、あれは、なんとなくの投稿だし。
やっぱ全国制覇!の方が良い気がしない?
いやぁ、そうだけどもねぇ…
関東全店舗制覇!と出したところで「へぇ。だから?」で終わりそうじゃない?
まぁ、それもある…
全国というスケールのデカさの方が、すげぇな!と思われそうじゃない…?
う、う、う(泣)
自分と自分が導き出した結論。
・・・・・・・・・
改めて、
ドムドムハンバーガー・全国完全制覇への道!
1店舗目となる三ツ境店を制覇!
残すは28店舗!
つづく!!!!!!!
(何年かかるか、この選択が正解なのか、私にはわからないよ)