記憶力・語彙力が弱弱レビュー「スオミの話をしよう」を見た

記憶力・語彙力が弱弱レビュー「スオミの話をしよう」を見た

2024年10月4日

カワバタテツヒロは結構映画館で映画を見ることが多く、最新作は公開してすぐに見ることも多々ある。
というわけで、最新作のレビューをやっていこう。

ということなんだが、まずご覧になる皆様にお一つお願いがある。

それは、

記憶力と語彙力が非常に怪しい

ということである。

興味をもっていただいた方には大変申し訳無いが、あらかじめ上記の点をご了承の上でご覧いただきたい。

というか、細かい映画レビューを求めているならレビューサイトにアクセスしたほうが早いぜ。

概要

公開日である9月13日の午前11時に観覧。

見に行った際の観客数は多くはなかった。座席の4分の1が埋まっていたかなという感じだった。

個人的には三谷幸喜監督作品に愛着があるか?と言われるとそこまででもなく、何作品か見たことがあるなぁという感じ。

今回で期待している点は長澤まさみがクローズアップされた作品であるというところ。

コンフィデンスマンJPに代表される明るいキャラクターであったり、MOTHERのような冷淡で現実に存在するのかわからない駄目なシングルマザーを演じたりと個々の演じ分けが凄い。

そんな彼女が、思いっきりコメディに振り切った演技はどんなものか。というところに注目したいと思っていた。

あらすじ

スオミの話をしようの映画レビュー・感想・評価一覧。映画レビュー全512件。評価2.8。みんなの映画を見た感想・評価を投稿。
eiga.com

三谷幸喜監督が監督・脚本を手掛けた作品。
「記憶にございません!」の5年ぶり以来となり、主演には長澤まさみを据えている。

豪邸に暮らす著名な詩人・寒川の新妻・スオミが行方不明となった。豪邸を訪れた刑事の草野はスオミの元夫で、すぐにでも捜査を開始すべきだと主張するが、寒川は「大ごとにしたくない」と、その提案を拒否する。やがて、スオミを知る男たちが次々と屋敷にやってくる。誰が一番スオミを愛していたのか、誰が一番スオミに愛されていたのか。安否をそっちのけでスオミについて熱く語り合う男たち。しかし、男たちの口から語られるスオミはそれぞれがまったく違う性格の女性で……。

映画comより引用

感想

三谷幸喜監督作品の「記憶にございません!」も公開してすぐに見に行ったのを覚えている。

あの作品には政治家に対する嘲りや揶揄が含まれていたので、一種の政治的ブラックユーモアが成り立っていた。ただ、そんなのを含めずに直球的なコメディを求める人達には少々物足りないというか、的から外れてしまった作品に見えたというレビューも散見された。
自分はというと、ユーモアは成り立っていたけれども、どうしても映画が作り出す政治的コメディの結末が似たりよったりになってしまって、「まぁ、おもしろいけどね」という煮えきらない感想を抱いた。

さて、今回の作品ではかなり直球的なコメディに思える。所々のセリフでスクリーン内で笑いが起きるほどだった。

ザ・マジックアワーやステキな金縛りのような作品を好む人は今回の作品では良いところを突かれるはずだ。

逆に作品情報内にある、ミステリーコメディーという内容を楽しみに見に行くと、少し頭を捻ってしまう人もいる内容ではある。

ミステリーというほどに複雑な内容ではないので、煩雑で推理を楽しむような、それらを求める人にはあまりお薦めはできない。

今回の作品は、詩人の寒川が住む豪邸を中心に話が進んでいく「グランドホテル方式」が採用されている。三谷幸喜監督作品の「THE 有頂天ホテル」もまたグランドホテル方式。監督自体がそういう話の展開が得意だからだろう。

話の進み方として、会話劇が中心となってしまうため、ミステリーでよくある「捜査を進めている内に新たな証拠」が出てくることはないし、「予測のできない展開」というのは薄い。

また、所々で出てくるツッコミがどうも「笑いどころ」を無理に提供されているような気がして痛さを感じてしまうのもまた人によってあるだろう。なんというか、食べたくないのに試食提供のおばちゃんが走ってきて口に試食を突っ込まれるような(いや、この例えは上手くない)。
逆にそれが気にならないなら普通に面白い。

会話劇というのは好き嫌いを分ける可能性がある。と個人的には長らく思っている。

グランドホテル方式という一つの場所に集まって話が進む形がどうも映画的でないような気がした。どこかの劇場の座席に座って舞台上で演者が動き回っているような感覚に近い。

また、演劇にアレルギーを感じるような人は注意したほうが良いだろう。セリフを話す演者に嘘くささ・大袈裟な動きに感じてしまって冷めてしまうかもしれない。

ミュージカルでありがちな、急に演者が歌い始めることに疑問を抱く人だったり、合理的でリアリティのあるような行動・セリフを求める人は少々痛みを感じる。

自分が注目したい点として挙げた「長澤まさみの演技」。これはかなり良い。というか、やっぱキレイだなぁ、画が映えるよなぁというか。

作品のテーマである「スオミ」という人物。5人の男性がそれぞれ抱く「スオミ」という女性のイメージを演じ分けられている。

声の張りや目力、言語から年齢の遡りと凡庸な役者だと違いを生み出すのにも難しい内容であるにも関わらず、それぞれ芯のある演技が見られる。

刑事の草野が抱くスオミを演じている時は、人格の入れ替えをしているかのようで見惚れる。

ファンの人は必見の内容であるに違いない。

おすすめ度

今回は「面白かった」ということで。

ただ、公開してかなり日数が経過していて公開を終了している映画館もあるはずだ。
これからサブスクやDVD、テレビで放送される機会が少なからずあるはずなのでご覧になってほしい。

最後に映画の最後の場面はいらなかったかなぁ…とは思っている。

長々と駄文を連ねてしまった。最後までご覧になっていただいてありがとうございます。

自分みたいな定まりきらない映画レビューを読んで、見た気にならないで、ぜひ映画を見てほしい。
あなたにはあなたの感想が必要だ。