ぐらぐらと揺れそうなバースツールの上。赤いテーブルの上にはエスビー食品のコショウ。
カウンターの向こうでは分厚いチャーシューが並び、大量の野菜が一気に茹でられている。
ここはラーメン二郎 三田本店。男たちがカウンター席に座り、ただじっと自分のラーメンが出来上がるのを待っている。その中に、自分もいる。
店内は異様な空気に満ちている。ラーメン屋に似つかわしくない、強烈な緊張感と心臓の鼓動。
店員さんがどんぶりに麺を入れる。麺から湯気が立ち上り、天井に辿り着く前に消える。そして、麺の上にはもやしとキャベツが乗っかる。
店員さんが自分を一瞥することもなく、どんぶりを見ながら言った。
「お客さん、ニンニク入れますか?」
緊張感は最大となり、心臓はバクバクと震え上がる。これがラーメン二郎。これが初めてのラーメン二郎。
1
友人が「ラーメン二郎に初めて行った」と言うのだ。ラーメン二郎。知っている。
うどんのような太い麺、その上には麺を覆いかぶさるほどに盛られた野菜。そして、分厚いチャーシューが数枚。
ボリュームたっぷりで多くの人たちから愛されているラーメン。そんなラーメン二郎に行ったというのだ。私は、純粋な思いで聞いた。
「どうだった?」
この「どうだった?」には色んな意味を込めた。
ラーメン二郎の情報を見る機会は幾度とあった。その中には排他的な考えを持つような常連客がいるようで、独特なルールが存在するように見えたり。それらの影響で、どうも近寄りがたい空気を感じていた。
だから、探りを入れるかのように「どうだった?」と聞いたのだ。
ただ、友人は「別に気にならなかった」というのだ。友人が行ったのは「ラーメン二郎 品川店」
夕方の時間帯に行ってみると人は並んでいたりしたが、そこまで気にならないほどだったようだ。ネット上で見かけるような威圧的なお店の人もいなかったようだし、味も美味しかった。そんなことを言うのだ。
ほぉ。自分が想像していたラーメン二郎とは少し異なる内容だ。
ラーメン二郎には行ってみたいなぁとは思っていた。ただ踏み込むタイミングが無かった。想像とはいい意味で異なるなら、今をきっかけにするべきだろう。
「今度さ、二郎連れてってよ」
自分は友人に言った。これがきっかけで、ラーメン二郎へ初めて出向く事になった。
そして、自分はとある人物のことを思い返した。
2
自分の勤める職場にラーメン二郎が好きな先輩がいる。その人はラーメン二郎にドハマりしてから、毎週のように食べに行くという。社内ではかなりの有名人である。
彼は体重を明かさない。何なら「キティちゃんと同じ体重だ」と豪語する。ただ、その人の腹は風船のように膨れ上がっていて、ワイシャツのボタンははち切れんばかり。リンゴ3個分という同じ重さの可能性は非常に低い。嘘の可能性の方が十分に高いだろう。
そんな先輩に聞いたことがあった。「ラーメン二郎を毎週食べて、飽きませんか?」
脂っこい肉に大量の野菜と太い麺がずっと腹の中に居座りそうなイメージがある。流石に飽きませんか?と嘲笑も少し含めて聞いた。
ただ、先輩は笑って言い返す。「飽きないね」彼は妙に自信ありげに言った。
「どうしてですか?」私は聞き返した。
「食べる度に、新しい発見があるんだ」先輩はまるで登山家のように言い切った。
自分は思った。何を言ってんだこの人は。
先輩が言うには、味の機微を感じるのが好きだそうだ。麺や野菜の茹で加減、スープの乳化具合、チャーシューの食感。食べて、今日は惜しいなぁと思う日もあれば、すべてが完璧だ!という日もあるのだという。
そして、時代に左右されない芯のあるラーメンであることも一因にあるという。味噌ラーメンが流行ったり、塩ラーメンが流行ったり。ヘルシーラーメンなる唾を吐きかけたくなるようなブームが発生してもラーメン二郎のスタイルは変わらないまま。
「そんな料理、ラーメン二郎以外に無いと思うんだよねぇ」先輩は遠い目をしながら言った。
いや、他にあるだろ。と思いながら、自分は更に聞く。
「初めてラーメン二郎を食べた時から美味しいと思っていたわけですか」
自分の問いに先輩は首を振った。
「いや、最初は美味しいと思わなかったよ」
「そうなんですか?」
「脂っこい、野菜は多いし、ニンニクの臭いは強い。麺は太いしで、このラーメンの何がうめぇんだ。そう思った」
意外だった。ただ、辻褄が合わない。「でも、毎週のように食べに行ってますよね?そこからハマった理由は?」
自分の問いに先輩は、小さく微笑んだ。
「初めてラーメン二郎を食べて1週間後に『また食べたいなぁ』と思い始めたんだ。あの野菜と豚そして麺をバクバクと食べたい。腹に詰め込みたい。いっぱい食べたいって。でもあまり美味しいと思わなかったから、行ってもなぁと色々と悩んだ。ただ、ふと気付いたら俺は、ラーメン二郎の券売機の前に立っていた」
怖っ。怪談話かよ。
3
その先輩が引き込まれてしまうほど、美味しいものなのだろうか。それも確かめたいという気持ちもあって、ラーメン二郎へ向かうことにした。
友人と予定を合わせて、ラーメン二郎の総本山である「三田本店」へ行くことにした。
ラーメン二郎 三田本店はJR山手線・京浜東北線の田町駅や都営地下鉄三田線の三田駅から歩いて10分程度のところにある。
近くには慶應義塾大学や慶應義塾中等部、慶應義塾女子高等学校があったりと慶應義塾関連の建物が並ぶエリアに三田本店がある。
田町駅・三田駅から慶應仲通り商店街を抜け、交差点も超えると、三田本店が近づいていくる。
慶應義塾大学の南校舎横を抜けると三田本店が見える。その三田本店の前には横断歩道があるのだが、歩道向こうには人の列ができあがっているのが見えた。
三田本店は川の三角州のように道路と道路の間で小さく店を構えている。その店の前には人の列がずらっと伸びている。周辺の建物とは異なる空気を感じる。
友人とその列の最後尾に並んだ。時刻は13時30分頃である。
4
列の客層を見てみると、大半は男性だった。大きめのリュックサックを背負った大学生風の若い男性がいると思えば、スーツ姿で列に並び談笑する二人組と様々な人が並んでいる。
また行列の中には少ないながらに女性もいた。彼氏に連れて来られたのか連れてきたのかわからない20代の女性、そして赤ちゃんを抱っこしたまま並ぶ女性もいたりした。
赤ちゃんを連れてきてまで、ラーメン二郎を食べるとは凄い人もいるんだなと驚いた。
列に並んでいると店内の匂いが勝手口から流れ込んでくる。脂の匂いが鼻腔をくすぐる。また、店内でラーメンを食べるお客さんの姿を見ると腹が一段と減ってくる。
店内を少し覗き見ると厨房が見えた。大量の野菜が目に見えた。その近くに高齢の男性が一人。
「今日は総帥が来てるみたいだよ」友人は言った。
そう。ラーメン二郎の創業者である「山田総帥」こと山田拓美さんがそこにいた。昼頃まで厨房に立った後、夜は息子さんに任せるというのが一連の流れだそうだ。
初めてのラーメン二郎で、創業者の山田総帥をお見掛けするとは思ってもいなかった。
列に並んで20分が経過し、ゆっくりと列が動いた。途中に設置されている「折り返し」と貼られたカラーコーンをやっと抜ける。
店裏に当たる部分に移動すると、鳩を2羽見かけた。
その鳩を観察していると、当たり前のように店の中へ入っていく。しかも厨房の中へ躊躇いもなく入っていく。気付いた店員さんによって追い出される。そして人目を盗んでまた入るという一連の過程を見続けた。
鳩の観察から更に20分。途中で大きなバケツに差し込まれた大量の傘を見つける。この傘は並ぶお客さん専用の傘らしく、雨が降っている時や日差しが強い時には多くの人が利用するらしい。
また10分が経過して列が動く。横にポスターが現れた。ポスターの内容はボクシングの興行。ジロリアン陸選手のサインが書き込まれていた。
ポスターの隣には慶応三田会という慶應義塾を卒業した塾員による同窓会のポスターが貼られていた。三田会大会という大同窓会が10月に行われたようで、トークイベントの開催もされたようだ。
ここら辺から店内からの匂いが一気に強まった。脂の匂いに加えてニンニクの匂いもする。この時点で14時50分頃に差し掛かっている。
列が動き、ラーメン二郎横に設置されている自動販売機の横に立つ。
自動販売機はアサヒ飲料。並んでいる人の大半が「食事の脂にこの1本。」を購入しており、自分も例外なく購入する。
この飲み物には、血糖値の上昇を抑える効果のあるプーアル茶、そして烏龍茶が入っている。脂っこいラーメン二郎には必需品ということだ。
5
自動販売機横に到着すると、列の先頭部分が少し騒がしくなった。
「先頭の方、食券を見せていただけますか」店員さんの声が響く。それに応えるように、先頭のメガネの男性はスッと食券を持ち上げた。
持ち上げた食券はプラスチックの板。その色で店員さんは作るラーメンを判断しているそうだ。
「2番目の方、食券を見せていただけますか」また店員さんの声が響く。先頭の男性と同じく、2番目の男性は食券を持ち上げ店員さんに見せた。その男性はスマホを見ながら「麺半分で」と言った。手慣れている。
秘密基地に入るときの暗号を唱えるが如く、一連の流れは異質なやり取りに見えた。
ラーメン二郎の店舗によっては、列に並ぶ前に購入する方法と列に並んで店内へ近づいたタイミングで購入する方法の2種類が存在するそうだ。
ここ三田本店ではタイミングを見計らって購入する方法を採っているがなかなか購入するタイミングが難しい。
また、店内の座る場所は基本的に店員さんが指定する。どこに座りたい、などという希望は基本的には叶わない。更に食券を見せるタイミングで麺の量を伝える必要がある。ここを逃すと通常の量で出されることになる。
ゆっくりと前に立っていた猛者たちが店内へ入っていく。そして、友人と自分が食券を買うタイミングが近づいてきた。
6
券売機は入口すぐのところに設置されている。
2024年より流通している新1000円紙幣を利用することも出来た。5000円以上の高額紙幣は利用できない。予め1000円札もしくは硬貨にくずしておきたいところ。
三田本店のメニューは2024年11月現在ではそれぞれ以下の通りだ。
- 小ラーメン 700円
- 小ぶたラーメン 850円
- 小ぶたダブルラーメン 950円
- 大ラーメン 750円
- 大ぶたラーメン 900円
- 大ぶたダブルラーメン 1000円
昨今の物価高を鑑みると値段は非常に安い。東京近郊のラーメンは当たり前のように1000円を超えている状態である。さらに、小ラーメンと大ラーメンの差額が50円程度であることを見れば、ラーメン二郎の安さが際立つ。
小ラーメンには豚、つまりチャーシューが2枚入っている。次いで、そこに豚を追加すると更に5枚、ダブルとなれば更に8枚に増量される。
今回、三田本店へ向かうと決めたときに「豚が超うまい時がある」という情報を見聞きした。だから、自分は「豚を食べたい」その思いを強く抱いた。
しかし、その情報と合わせて「初心者は小ラーメンで行くべきだ」という情報もあった。可能なら麺の量も半分にするべきだ。という論調もあった。
友人が券売機で食券を買って戻ってきた。そして、自分の番である。
券売機の前に立つ。釣り銭が足りていないという案内がひらひらと風に弄ばれている。その中で、最後まで悩んだ。
この長時間並んだ挙げ句、自分は初心者だからと小ラーメン一択で良いのか…?
いや、豚を食べたいという思いが強いじゃないか。なら、小豚ラーメンで行くべきじゃないか?
誰かが言っていた。ラーメン二郎は食事をする場所ではない。闘う場所である。
なら、限界に突き進むべきだ!それもそうだな!
おりゃああああああああああ!!!!!!!
押したのは小豚ラーメンであった。(「大」以上は選択には入っていなかった。怖いから)
食券を買い、列に並び直す。そして数分後に「先頭の方、食券を見せていただけますか」という店員さんの声。先頭となっていた男性が見せ、次に友人が見せる。そして、自分も食券を見せる。
いよいよ闘いへ挑む時が来たようだ。
7
「先頭の方から店内へどうぞ」
店員さんの案内で店内へ入る。バースツールの上に乗ると、少し揺れ動く。
店内はカウンター13席。全員が男性だった。カウンターの向こうでは店員さんが無言で野菜を茹で、麺を湯の中へ投入している。
その中には創業者である山田総帥がいらっしゃる。
山田総帥とは言うものの、全く偉そうな雰囲気を感じない。若手の店員さんと楽しそうにお話している姿が印象的だ。こういう何気ない人柄がラーメン二郎のファンが足繁く通う要因となるのだろう。
店内は基本的に店員さんと山田総帥以外は無言だ。三田本店の近くを通る自動車の走行音と湯切りをするザルの音が響くだけで、店内に座るお客さんは誰一人言葉を発さない。
その環境に圧倒されたのか、自分は静かに鼓動を強めていた。ドックンドックンと喉元まで響き、静かに身体が緊張感に包まれていく。
座席に座っている間もスマートフォンを見れば良いのだが、見る余裕が生まれない。静かにラーメンがやってくるのを待つことしか出来ない。
店員さんが麺の湯切りをし、丼の中へ入れる。そして、「左手側の方、ニンニクどうされますか?」
来たっ!一気に身体が強張る。尋常じゃない緊張感、ここは本当にラーメン屋か?という重たい空気。
声を掛けられた男性は「ニンニクヤサイマシで」と言った。いわゆるコールである。野菜が増量される。はーい、と店員さんが返し、「おまたせしました」という声と共に男性の前に丼が置かれる。
横目で見た時には信じられなかった。野菜は富士の山のように綺麗な三角形、そして冠雪と思わせる大量のニンニクが乗っている。これを男性は今から食べるというのか。
男性は出された丼を前に冷静でいた。箸を持ち、綺麗な三角形を作り出していた野菜に手を出した。と思えば一気に野菜を大量に掴み、口の中へ放り込む。むしゃむしゃと咀嚼をして、野菜の下に隠れていた麺を地上へさらけ出したと思えばズルズルと口ですすっていく。
まさに「貪り」それ以外の言葉は見つからない。
次に友人が店員さんに聞かれる。友人は「ニンニクで」と答えた。これはニンニクは通常の量で、という意味になる。
「お客さん、ニンニク入れますか?」
いよいよ自分の番がやってきた。口から心臓が飛び出そうになるほど、バクバクと心臓が鼓動している。すっと小さく息を吸って自分は言った。
「ニンニク少なめで」
日和った。日和ってしまった…今から食事をしてから自宅へ帰ることを考えてしまった。それにこういう記事を世に出すつもりなら「ニンニクヤサイアブラカラメマシマシ」というとんでもない注文をする方が世間にはウケるはず…しかし、それを選択出来なかった…自分は弱い人間だと改めて思い知った。
8
ただ、その日和ったおかげだろうか。「おまたせしました」と出された丼とは何とか戦えそうだ。
いよいよラーメン二郎とご対面。この勝負。負けるわけにはいかない。出された小ぶたラーメンに手を付ける。
まずは野菜。もやしやキャベツを口に運ぶ。
「つ、冷たい!?」
驚きを隠せない。野菜全体が冷たいのだ。口の中に冬が到来したのかと思わせる。次に麺を野菜の山から引っ張り出す。スープに浸かっていた麺を口に運ぶと、
「あ、熱い!?」
また驚きを隠せない。今度は口の中に赤道がやってきたのかと思わせる。麺の端から端まですべてが熱い。いや、スープがびっくりするほどに熱せられている。
野菜を食べて、麺を食べて。これを何度も繰り返していく。それにしてもボリューミーだ。麺を咀嚼し、胃袋へ落とせば、腹の中で衝撃音が鳴るようだ。一口一口に重たいパンチを感じる。
しかし、立ち止まっている余裕は無い。ここで会社の先輩からの言葉をまた思い出した。
「ラーメン二郎は止まったら終わり。一気に食ったほうが良い」
ラーメンの話でアスリートみたいなことを言うな。と思っていたが、意味がここでわかった。
太い麺、野菜。これらが永遠に出てくるようなイメージがある。止まれば、驚いた胃袋は固まって受け入れなくなりそうだ。
麺と野菜を食べていき、見えてきたのは「豚」である。今回のラーメン二郎で一番に食べてみたかった「豚」がいよいよ顔を出した。
スープから豚を引っ張り上げ、口に放り込む。
「う、うまい!」
豚は外見では厚みを感じる様相なのに、少し噛めばホロホロと崩れていく。そして、脂もスッと幻のように消える。
「これが三田本店のチャーシュー…!」
すぐに2枚目を口に入れる。これもまたうまい。
ただ、美味しさを感じるが、やはり一口一口に重みがある。それに時刻は15時。「3時のおやつはふんへいどぉー」というCMが似合うような時間帯だ。
胃袋がびっくりして、収縮し始めている。これはやばい….。
ガツガツとラーメンを口に運ぶという時間が続く。時には「食事の脂にこの1本。」で流し込んでいく。
いよいよ麺と野菜が少量に。これで終わりだぁ!!!!とスープに箸を突っ込む。するとカツンと箸先が何かにぶつかる。ゆっくりと持ち上げる。
ザバァっとクジラが海から現れるかのように、持ち上がったのは肉塊であった。切られていない肉の塊が眼前に飛び出た。腹がもう8分目を超えているが、自分は化け物であると思い込んで肉塊にかぶりついた。
その肉塊は必死な自分を優しく包み込むかのように柔らかかった。噛んだと思えないほどホロホロで繊維状に肉が消えていった。
麺と野菜。そして豚を食い終えた時、「闘いが終わった」という思いと同時に「食い終えた虚しさ」を感じずにはいられなかった。
9
「ごちそうさまでした」と言って、食べ終えて店を出る。店員さんからは「はい、どうもぉ」という声が聞こえた。
腹の中にいるラーメン二郎が眠気を連れてくる。血糖値バク上がり。これだけ腹いっぱいになったのもいつ以来だろう。食事でありながら、一つ一つに魅力を感じ取った。
食べ終えた友人と共に田町駅へ向かった。一度も本店を振り返ることもなく。
後日、三田本店へ行ったことを会社の先輩へ伝えた。
「想像よりも美味しかったです」
自分がそう言うと「それは良かった」と先輩は微笑んだ。
「ただ、自分は連チャンでは行けないっすねぇ」と自分は笑った。
すると先輩は「気をつけてね」と前置きし、こう言った。
「1週間後、急に二郎を食べたくなるから。気付けば食券を買ってるからね」
怖っ。怪談話かよ。
と思いながらも、あの豚をもう一度食べてみたい。そんな風に思っていることは、事実であるのが怖い。