上坂すみれの「すみぺの大理論」へ行って、更に沼へ潜る

上坂すみれの「すみぺの大理論」へ行って、更に沼へ潜る

2024年10月18日
[更新]11/11 一部内容を追記しました
[修正]12/16 Xの表示を一部変更、内容を変更しました。


初めてのことには不安感が付き纏う。上手くやれるだろうか。上手く立ち回れるだろうか。
そんな気持ちは人々の熱さによって吹き飛ぶ事がある。

人でごった返す東京・渋谷。初めての物販、特徴あふれる人々。熱気が渦巻くLINE CUBE SHIBUYA。

10月12日。世間は3連休の初日で浮かれている。
そんな日に、自分は上坂すみれの「すみぺの大理論」東京公演へ行ってきた

ライブへ行くきっかけ

今年の初め。いつも使っているSpotifyのおすすめ欄にとあるアーティストが表示されていた。
それが「上坂すみれ」だった。その時は「名前は知ってるし、アニメでも声を聞いたことはあるなぁ」という認識だった。

どんな曲があるんだろう?それが最初の興味。

そして、沼への一歩であった。

表示されるプレイリスト、シャッフルを適用して再生ボタンを押す。流れる音楽。そして風変わりな歌詞。

あっ!聞いた事ある!

まるで、進研ゼミでやった!と言わんばかりに頭の中で過去の記憶が呼び起こされた。学生時代に放送されていた「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」を思い出した。

そうだ、あのエンディングだ!

曲名は「inner Urge」だった。
あの歌をこの人が歌っていたのか。そして、冷静に思う。なんちゅう歌詞じゃ。

そう思っていても、止めどなくSpotifyは次々と曲を流していく。
「EASY LOVE」に「よっぱらっぴ☆」と来たと思ったら「One Way My Love」と80年代風のシティポップもあったりと離れられない。
そうなれば、相手の思うツボである。耳にこびりつくようなキャッチーな曲が続いていく。プレイリストが一周するとまた始めから。頭から離れなくなり、また聞きたくなる。そこから一気に引き込まれていく。

一気に楽曲を聞くようになると連鎖反応のようにアニメにも注目が行った。
最近では「ロシア語でデレる隣のアーリャさん」であったり、なんとなく見ていた「イジらないで、長瀞さん」をもう一度、真剣に観始めたりした。

Youtubeの動画も気にするようになって…とかなり注目するようになったそんなタイミングでベストアルバムの発売。それも完全生産限定盤を当然のごとくカートに入れていた。

声優アーティスト・上坂すみれのオフィシャルチャンネルです
www.youtube.com

そして、降って湧いたかのように発表された「ベストアルバムツアー・すみぺの大理論」の開催発表。9月末から大阪・名古屋、10月に東京で開催というライブツアー。

唯一無二の声優アーティスト上坂すみれが、ベストツアー『SUMIRE UESAKA BEST TOUR 2024 すみぺの大理論』を開催!
king-cr.jp

6月上旬からファンクラブ先行が始まるという。

ふーん。そうなんだ。まぁ、気が向いたら行ってみようかな。

そんなことを思っていた。しかし、

気付けば、躊躇いもなくファンクラブに入会し抽選に応募していた
興味から生み出される行動力、そして沼というのは恐ろしいものである。

ライブ当日・物販の列に並ぶ

この記事にアクセスしてくれたあなたは多分ライブ当日の状況を知りたいだろうから、私の話はここいら辺りで終わりにして、ライブ当時に時間を移そう。

ファンクラブ先行で応募したライブは東京公演が当選した。東京公演の場所はLINE CUBE SHIBUYA、渋谷公会堂だ。

初めてのライブとあって、どうにかグッズは買いたいなという思いもあった。東京公演の物販開始時間は13時の予定だ。

予習の意味も込めてSNS上の情報を拾っていく。
すると、大阪・愛知公演の物販では物販開始の時刻よりかなり前から結構な人の列が出来上がっていたようだ。そうなれば東京公演も例外ではないだろう。それもあって、開始時間の1時間半前には行っておこうと考えた。

原宿駅からLINE CUBE SHIBUYAへ向かった。歩いて15分程度。原宿・表参道の混雑を掻い潜っていく。

そして、会場前の信号。会場入口横の広場には、既に長蛇の列が出来上がっていた。時刻は11時40分。早い人だと販売開始の4時間前 となる9時頃から並び始めていたそうだ。

画像中央から右上がりに伸びる人の列。これが物販の列だ。

自分が並び始めた時に、最後尾は会場横のマンション近くまで列が伸びていた。その時点で人気度が高いことを伺わせる。

物販の開始時刻が途中で12時半に変更された。その後、開始時間が近づくに連れて、自分の後ろにあった「最後尾」という看板が、人の層が積み重なっていくにつれて遠のいていく。

並び始めてから、少しだけ、どんな人達が列に並んでいるのだろうかと気になった。

まずは、ゴスロリ衣装を着ている女性。上坂すみれが以前に着用していたような衣装を身に纏っている。広場の中でも服装が鮮やかで映えて見える。

次に、モヒカンヘアーの男性。ツアーのグッズの1つである深緑色のジャケットを着ている。真っ直ぐな目で微動だにせず開始の時を待っている。

そのまた次に、競馬新聞を片手に持ちもう片手に赤ペンを持っている男性。ライブの翌日には秋華賞があるからだろうか。なかなか本命が決まらないのか、首を捻っている。
と、様々な人を観測できた。どういう客層なんだ…と思った。なんだか多種多様な人たちが集まっているようだ。

12時30分頃に列が動き出した。
自分が物販のレジにたどり着いたのは13時15分。並び始めから考えれば長丁場ではあった。

グッズを買っていく

今回の物販ではパンフレットやTシャツ、ブロマイドなどが発売された中で一際目を引いたのが3Dクリスタル像

クリスタルの中に上坂すみれ本人が刻印されている。中々に独特な商品である。
そんなクリスタル像、13時頃には売り切れとなったようだ。物販開始から30分近くで多くの人が買っていったということだ。

そんな自分は、「買えるだけ買っておきたい!」的な気持ちが働いて、パンフレットやブロマイド、光るウォッカ瓶にアクスタキーホルダー…とスタッフさんに注文していった。スタッフさん一気に注文をして申し訳ありませんでした。

「結構買ったなぁ、俺のクレジットカードもってくれよ!」と来月の自分に激励を飛ばしていると、隣の男性がパンフレットとブロマイドとジャケットとバッグとタオルと…と立て続けに注文をしていた。決済は2万円以上。上には上がいる、ということか…

CD・映像商品も発売をしていた。且つ過去シングルのポストカードプレゼントというのに惹かれて、これを機に一枚買っていくことにした。

買ったのは「ANTHOLOGY&DESTINY」。曲はSpotifyでは何度も聞いた。だが買ってしまった。

後ろの4枚は今回貰ったポストカード。結構でかい。

理由はジャケ写買い。である。

来月の自分よ、本当にもってくれよ!。

開場、中へ入る

*会場内は撮影・録音が禁止されていたので、会場内の画像はありません。

開場時間は16時。
今回はグッズ付チケットということもあって、入場時にグッズを貰った。

裏面には各公演の日程が書かれている。

LINE CUBE SHIBUYAは2015年に施設建て替えのために閉館し2019年に再開している。それもあって通路は明るく、ホール内は床・座席が木目調でとてもおしゃれだ。

座席は3階まであるが、自分の座席は1階席だった。

会場の収容人数は1階席で1180席、2階席は424席、3階席となれば352席となる。時間が進むごとにその座席が埋まっていく。そして、開演5分前となれば空席は殆ど無くなった。

FACILITY INFORMATION施設案内 LINE CUBE SHIBUYA FACILITY 建物の
linecubeshibuya.com

お客さんの様子を少し見ていると、グッズのTシャツを着ている人やペンライトを調整する人であったり、スーツ姿で来ている人がいるなと思ったらジャケットを脱ぎ、中にシャツを着ている人がいたり。と様々な人達を観察できた。

途中でトイレへと向かうとラーメン屋の店主みたいな格好をした男性とすれ違った。
「なんだあれ!?」と思わず振り返ってしまった。ただ、誰も気にしていない。自分が気にしすぎなのだろうか。と思って、トイレへと向かった。

色んな人がいる。

なんだか、そう思うと自分は平凡だなぁ…と思う。その人達と並んで楽しめるだろうか。と不安になった。上坂すみれのファンのことを「同志」と呼ぶが、果たして自分はそんな中に入り込んで楽しめるだろうか。

そんなことを思いながら、時間を貪る。

開演

17時05分に開演。

出囃子が流れて、会場内に熱が帯び始める。そして、上坂すみれがステージ上に現れた時に会場内のギアが一段階上がって歓声が自分の背中から抜けていく。

キツネの耳飾りを付けていることに気付いたのだろう、近くの女性が力強く手を叩いて喜びを表現しているのが印象的だった。

ペンライト的な物を持ってライブに挑むのは人生で初めてだった。楽曲やライブ映像はいくらか見ているが、実際の会場内で他の人とズレが生じないか開演前まで気になっていた。

ただ、ライブが始まってすぐに隣の男性が力強く舞い踊り始めた。ステージ上にいる上坂すみれと同じぐらいに力強く舞っている。

それを観た瞬間に「自分は自分で楽しむべきだ」と思った。折角のライブ。マナーを守った上で周りを気にせずに楽しむべきなんだろう。そう思うと、そこから吹っ切れたのか、あまり気にならなくなった。不安感は会場内へ溶けていった。

ライブの途中で幕間映像が上映された。ライブで幕間映像ってあるの!?と驚きながらも静かに見始める。

スターチャイルドって聞いたことあるけど、なんかあったっけ?であるとか、いいですか、落ち着いて聞いてください。であるとか、龍が如く8やりたくなったりであるとか、そんなにホイップクリーム必要か?であるとか。

ライブを見に来たのにシュールな映像を見せつけられている。いや、冷静に考えればおかしいんだ。しかし、そんな空間がどうも楽しかった。みんなが同じ空間でくだらなさを共有する。そんな空気がたまらなく楽しい。

そして、こういう演出もあるんだなぁ。と関心する。

ライブが終盤に差し掛かっていき、ボルテージは最高潮。隣の男性は動きすぎて曲の合間合間で息を切らすほどだ。これだけ熱心にライブに取り掛かったら楽しいだろうなぁと思えた。

「Inner Urge」が流れた時に一番ライブに来た!という実感が湧いた。一気に引き込まれたきっかけの曲であるから、尚更に気持ちが動かされる。というか、やっぱりこの曲の歌詞やばいな、と尚更に思った。

ライブが進んでいくにつれて思ったことは、ステージと客席の距離以上に上坂すみれと同志の距離が近いように見えたことだ。
ファンの熱い声にはちゃんと応えるし、気遣いを感じる。特にグッズが投擲された時に特に思った。周りをよく見ていないと出来ないことだ。グッズもらえた方おめでとうございます。

最終盤。「革命的ブロードウェイ主義者同盟」が流れて、どこかの国家でやってそうな叫びすら、躊躇いもなく自分はやっていた。叫びすぎて、喉の奥が少し痛んだ。

ちなみに、ライブのセットリストはキングレコードのホームページからチェックすることができる。

Apple MusicやSpotify、Amazon Musicといった主要の音楽配信サービスに今回のライブで演奏されたプレイリストが公開されているので、見てみるのもいいだろう。

ライブ終了

解散!という声から照明が灯った瞬間、目が覚めたような感覚があった。何か1つのことに没頭したような、体の重さを感じる。そして、とても熱を帯びている。隣の男性は疲れたのだろうかまだ呼吸が荒そうだった。

胸ポケットに入れていた腕時計を引っ張り出す。時刻は20時近くだった。3時間近いライブ。長丁場だ。ただ、一気に走りきったかのような、そんな爽快感さえ感じられる。

さて、帰りの準備をしよう。と思ったところ、「すみません。銀テープお持ちじゃなかったら、お一つどうですか?」と隣の男性から声を掛けられた。

ライブの終わり際に銀テープが飛んだ。残念ながら自分の近くには飛来することはなく、少しがっかりとしていた。
それを憐れと思ってくれたのだろうか。「良いんですか!」と自分は男性のご厚意にあやかり1つ貰った。思いがけない、人の暖かさに触れた。

LINE CUBE SHIBUYAを出ると渋谷の冷えた風が自分に当たる。体の熱が静かに地面を通って抜けていく。

最高気温は当日26度。20時の時点で20度近く。

いやぁ。楽しかったなぁ。と捻りも何も無い感想が浮かぶ。

今回のライブでは上坂すみれのアーティスト10周年という集大成を見ることが出来た。

初めてのライブや不安感なんて関係なく、とても熱いライブを経験できた。また、ここ数年のコロナ禍を経て迎えたライブは観客・関係者含めて強い思いを持って行われたことだろう。
こうやって熱いライブを重ねることで、多くの人が同志となっていくのだろう。こんな経験をしてしまった以上、自分も次のライブには絶対に参加したいなぁと強く思う。

さぁ、待ち構えている現実へ帰ろう。多くの人が渋谷駅方面へと歩き始めていく。自分はその反対方向に位置する千代田線の代々木公園駅方面へ歩みを進める。楽しそうに二次会の話をしている人の声も聞こえる。

酔っ払って、今日のライブについて語り合うのだろう。

ただ、自分は残念ながら翌日から労働だ。後ろ髪を引かれる思いで駅へ向かう。四の五の言わずに取り掛かるべきなんだろうけども。


11月9日。こんなのが届きましたのよ…

とある郵便物が届きましてね…
東京近郊は急激な寒さに見舞われたと思えば暖かかったりと意味わかんねぇ日々が続いていますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。 いつもご覧頂いている方、感謝いたし…
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