4月24日、静岡県のローカルフード「さわやか」のげんこつハンバーグを食べて、気づけば夕方の17時前となった。
大変美味しい食事を頂いたのは嬉しいが、本日の最終目的地は静岡駅ではない。もっと先の浜松駅となる。
静岡→浜松の間を移動するためには東海道本線を使っていくことになる。しかし、この区間というのは、まぁなんとも面倒だなぁ・・・と思わせてくれる区間でもあるのだ。
目次
やっぱり静岡区間って長ぇや!
腹も満腹、旅行の内容も濃密で大変よろし。さてさて、お宿のあります浜松駅前まで行きましょか!とテンションを上げて静岡鉄道の新静岡駅付近からルンルン気分で静岡駅方面へ向かう。

途中で静岡から浜松という区間をJR東海の東海道線で移動したならば、どんな距離でどんな時間を費やすことになるのだろうか。改めてチェックすることにした。
17時丁度に静岡駅を発車する東海道線の電車があるらしい。行先は浜松駅だ。ではでは、どんなもんだい?と乗換案内を覗き込む。

あーなんですか、この結果は・・・!?1時間14分ですと!
静岡県というのは横に長いのが特徴的で、東海道線もそれに準じて距離が非常に長い。もちろん横断しようとするならばしっかりと時間を費やすことになるのだ。
しかし、私は思った。
「いや、別にこの列車が始発列車ならば、早目にホームに立って列車が来るのを待っていたら必然と座席に座れるな」ニシシ・・・
と企みを思いついたのだが、その思惑はJR東海さんは把握しているようで、17時発の列車は始発列車ではなかった。それ以上に、なんと前述の列車は熱海駅を15時38分に発車した後、約2時間40分近くもの間を終点の浜松まで東海道線内を疾走するという化け物列車であったのだ。
私は時刻表を見ながら思った。
「乗りたくねぇ・・・」
静岡で多くの人が降りていくだろうが、確実に着席できる確実性が非常に乏しい。また、運よく座れたとてロングシート車のど真ん中ともなろうなら、非常に快適性が薄くなってしまう。
というか、腹がいっぱいの中で乗りたいなんて思わないだろうが。
はてさて、どうしたものか・・・私は選択する時が来た・・・と痛感した。静岡駅から浜松駅へ向かう方法は別に1つではない。
そう・・・特急踊り子を簡単に抜き去っていった「東海道新幹線」があるのだ。
東海道新幹線に身を委ねるべきか・・・
東海道線が76.9km、1時間10分近くを要して静岡→浜松間を移動するのに対して、東海道新幹線はというと、

「ひかり」ならば同じ距離をたった20分で移動。
各駅タイプの「こだま」であったとしても、

8分が追加されるだけの28分だけ。もはや東海道線の移動時間と比べ物にならないほどに、ショートカットいやワープすることができるのだ。
もう新幹線に乗るしかないよね!
と静岡駅のコンコースで叫びそうになるが、少し冷静になる。
静岡駅から浜松駅を移動する場合、乗車券は1340円となる。それに対して、新幹線を利用する場合は更に特急券が必要となり、その特急券は自由席利用で「990円」だ。
乗車券の約70%に相当する料金を更に追加で支払う必要があるのだ。なんだか、まんまとJR東海の罠に掛かっているような気分がする・・・
「鈍行で1時間掛けて行くより、1000円ぐらいポンと払って30分で移動した方がいいんじゃな〜い」
と囁きにまんまと引っかかりそうな。そんな気分だ。しかし背に腹は代えられない。タイムイズマネー、ノーペインノーゲインである。
私は990円という追加料金を支払うことに決めた。
新幹線ホームへ
東海道新幹線の改札に乗車券と新幹線特急券の2枚を重ねて抜けていく。
改札の中は静岡駅近郊で仕事を終えてきたであろうスーツ姿の社会人が多く、お土産店や弁当の販売店には人だかりができているほどだった。

改札の中に入ったぐらいに静岡駅を17時02分に発車する「ひかり・岡山行」がやってきていた。

ホームに上がると、同時に入線してきた東海道新幹線に今か今かと乗り込もうとしている人たちでいっぱいだ。
今回は「ひかり」をスルーすることにした。「ひかり」は途中の掛川駅を通過してくれるものの、自由席が1〜5号車しかなく、今から並んでも座れないだろうと思ったからだ。

17時02分の「ひかり」を見送れば、たった14分後に「こだま・新大阪行」がやってくる。「こだま」の方が自由席は1〜6号車に加えて、13〜16号車に広がり座れる機会は増える。

というか、せっかくの新幹線を混雑したまま利用するというのは嫌だなぁと思っただけでもある。
ひかり519号は岡山まで向かうからか、降りる人も乗る人も多いという現象が発生していた。人の群れを遠巻きに眺めながら、待っていた人たちを全て飲み込んだ東海道新幹線は車掌さんの確認とホーム上の駅員さんの「安全よし」という言葉を元にゆっくりと静岡駅を発車していく。

せっかくなので通過する新幹線を撮りまくる
ホームに立っていると、意外と静けさが優勢。新幹線がいなくなれば、必然と人もいなくなる。

しかし、東海道新幹線には休憩がない。静岡駅を光速のように抜けていく「のぞみ」の姿が何度か見かける。
時間も10分近くあることだし、通過する新幹線をパシャパシャと撮ってあげますかね・・・と強者の余裕でカメラを構えた。
新幹線ホームから在来線ホームを見ていると、特急ふじかわの車両が横切った。

さぁ、在来線特急はきれいに撮れた(ような気がする)ので、本命の東海道新幹線を撮ろう。
遠くの方から雷鳴のように「ゴゴゴゴ」という音が響き始めた。静岡駅のホームでは通過列車が参りますという放送が掛からない。「のぞみ」が当然のように通過する空間がどこか異様に見える。
東海道新幹線が近づいてきた。「ゴゴゴゴ」という音が「ンゴゴゴゴゴゴ」という地響きをもたらし、「シェアあゝあゝあゝあゝ」という金切り声のような音と共に過ぎていく。
そして撮れた写真はこちら。

ブレのブレである。
それでも良い。失敗は成功のなんちゃら。有り難いことに上り下り共に「のぞみ」の通過は豊富だ。
次がやってきた。撮れた写真はこちら。

ブレのブレである。というか、何が写っているのかさっぱりである。
途中で、在来線ホームから普通列車が発車していく。こちらも撮ってみる。

こちらもブレのブレである。スピードが新幹線より遅いのに、これは一体どうしたもんか
さぁ、自分が乗る「こだま」が近づいてくる。これはしっかりと撮りたいところ。

上手く撮れねぇや!(´>∂`)テヘペロ☆
静岡の景色があっという間に過ぎ去っていく
自分の前に東海道新幹線が滑り込んでくる。先頭から見て一番うしろ、車掌さんが顔を出して、静岡駅のホームをじっと監視している横をするりと抜けていくように自分は車内へと入っていく。

車内に入ると先行で静岡駅を発車した「ひかり」と比べて、驚くほどに静かで人もまばらだった。自然と一番後ろの席に陣取る。
座席に座り、静岡駅のホームを見やる。人を全て吸い取ったのか、誰もいない。

ゆっくりと発車。「さわやか」を食べるために下車をした静岡駅が視界から消えていく。静岡市内をもう少し掘り下げてもいいかもなぁと思いつつ、浜松へ向かう。

途中で在来線特急を遠くで見つける。少しだけピントが合った。
進行方向の左手に注目してみると、大きな河川の上を猛スピードで抜けていく。阿部川だ。

途中で街が形成されているのを発見するけども、簡単に過ぎ去ってしまう。何町なのかはっきりとしないままだ。

ボケェと車窓を眺めて、気になったものにはカメラのシャッターを切って。と繰り返していると、「まもなく掛川」というアナウンス。約13分で到着。在来線だと46分掛かってしまう区間をあっという間に抜けきった。

途中で某ユニクロだったであろう釣具店を見つける。

掛川に到着。向かいには東京行きが通過待ちしていた。

駅員さんが東京へ向けて発車した東海道新幹線を見届けて、何か作業をしている。一日に何万人も運ぶ東海道新幹線を支えているのはこういう駅員さんたちだ。

猛スピードで進む中、雲の切れ目をはっきりと捉える。

さぁ、いよいよ浜松だ。車内で下車をしようとしているのは自分以外にいない。みんな手慣れているようだ。

浜松に到着と新幹線のすごさたるや
浜松に到着。

本当にあっという間だった。990円を追加で出費すること自体「後ろめたく」ないのかという話だが、全然問題はない。むしろ出して然るべき区間だと思える。
どうして後ろめたい気持ちになっていたのだろう・・・と冷静に考えると、格安切符の代表格である青春18きっぷの存在が大きいのかなぁと思う。
青春18きっぷは昨今内容が改変され、一部のマニアからは非難轟々、生卵でもぶつけてきそうな程にお怒りムードが広がっていた。
実際に青春18きっぷを利用すると、精神的・経済的に高速移動できる新幹線を忌避する傾向になってしまう。だってたった3千円近くでJR(普通列車)が乗り放題になる。そこにたった1区間をワープしたいからといって数千円を追加で出せるか?といったら出せない。それが長年、18キッパーに重く伸し掛かっていた。
ただ、今回は普通乗車券での移動。新幹線に乗れる乗車券だ。今まで自分の心に刺さっていた楔が抜けたような気分だ。これで自分も新幹線の追加料金を気にしないで当たり前のように多用する大人になったのだろうか・・・
さて、自分の乗っていた新幹線が発車した後には名古屋行がやってくるようだ。

更にその後には岡山行がやってくる。静岡県内から西日本方面へダイレクト。東海道新幹線ってすげぇなぁ・・・と思わせてくれる。

そりゃあ、みんな使うよねぇ・・・と思いながら階段を降りていく。