新幹線のお供と言ったら?駅弁?コーヒー?シンカンセンスゴイカタイアイス?
まぁそれは王道も王道なお供達である。ただ、東海道新幹線は時代が進むと共に大きく進化している。
それも「推し」と共に旅ができちゃうらしいのだ。その名も「推し旅」。
ということで、東海道新幹線の「推し旅」を体験すべく、我は静岡駅から東海道新幹線へ乗り込んだ。
目次
推し旅ってなんじゃいこりゃ?
推しという言葉が多くの所で聞くようになった。推しとは自分が特に気に入って応援している人物やキャラクター、作品などのことを指すとGoogle先生は教えてくれた。
さて、その推しと共に旅ができるというプロジェクトが東海道新幹線を運営するJR東海によって行われている。それが「推し旅」だ。
コロナ禍も真っ只中の2021年から始まったこのプロジェクトは東海道新幹線の料金のみで参加が可能。追加料金は基本的に不要なサービスだ。
「推し旅」が展開するコンテンツは様々。
アイドルのイベントに合わせて臨時列車を走らせる旅行パックの発売やアニメの聖地巡礼に特化した写真スポットの設置など、「旅行と推しによる融合」を目指した新たな旅の形態を提供している。
では「推し旅」のコンテンツは何があるのだろうか?2025年7月現在で配信されているコンテンツは以下の通りだ。
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— 推し旅【JR東海公式】 (@oshitabi_update) July 3, 2025
JR東海 #推し旅 ラインナップ紹介📣
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東海道新幹線の車内限定で楽しめるコンテンツが盛り沢山‼
アニメやアーティストなど、あなたの「推し」も教えてください✨
参加したよ~!という方は「いいね」をお願いします🎵
ラインナップはこちら⬇️https://t.co/h2yhdJeO6T#JR東海 #推し旅 pic.twitter.com/2FjyIbqQwH
めちゃくちゃある。ももいろクローバーZの百田夏菜子さんのコンテンツがあると思えば、アニメ・マンガのブルーロック、そしてスポーツからは千葉ロッテマリーンズまである。
更に数え切れないほどのコンテンツが提供されていて、この先もコンテンツの追加が予定されている。
そして今回。自分がなぜ「推し旅」を楽しみたいと思ったかというと、JR東海と声優雑誌である声優グランプリとのコラボ企画「声優新幹線」を楽しみたいと思ったからだ。
声優グランプリとのコラボが気になるんだなぁ
推し旅のコンテンツの一つに「声優新幹線」が2025年5月より提供されている。

内容としては、雑誌の声優グランプリとの連動企画や新幹線車内限定で提供されるラジオ番組の配信が主になっている。
2025年5月〜6月上旬までは人気声優の福山潤さんが出演されていた。

そして6月から7月上旬まで登場していたのが上坂すみれさんである。

筆者である私は2024年から沼に足をどころか、オリンピックの飛び込みの如く頭からドボンというレベルにハマっている。音楽とかアニメとか見ちゃったりとかね。過去にライブやイベントにも参加し、6月にはライブなんかに行っちゃったり。
今回配信されていた内容は「東海道新幹線にまつわるエピソード」が配信されているそうな。うん、気になるね!
ということで、出演されているなら聞きたいし、ついでに旅行もできんじゃん!というJR東海の罠にハマったということで、上坂すみれさんのコンテンツを楽しみたいので東海道新幹線へ乗ることにしたのだ。
東京〜新横浜なら良いだろ・・・というわけじゃない
今回の声優グランプリとのコラボ企画を楽しむ条件として「東海道新幹線に乗車する」ことが必要だ。
うん、簡単だ!
これ以上に条件は無い。ご存知のかたが大半だと思うが、東海道新幹線は東京駅から静岡・浜松を通り名古屋、そして京都・新大阪へ向かう高速鉄道だ。その区間の何処かを利用するだけで十分なのだ。

しかし、東海道新幹線は名古屋や新大阪まで向かうと、まぁ高い。1万円以上も消費してしまう。流石に上坂すみれさんのコンテンツが聞きたいからといって、そんなにお金を使うことはできまい。
ということで、ある程度お安くするために、用はないけど停車駅である東京→新横浜駅を往復して、その区間で楽しもう!と思ったのだ。
しかし、

くっ・・・!一部再生ができない区間(東京駅~新横浜駅間等)がピンポイント杉やしねぇか・・・!?JR東海に思惑がバレバレである。
なぜこうもピンポイントにダメな区間があるのかは後ほどご紹介したい。
しかし、JR東海が言うのだからこればっかりは致し方ない。もっと足を伸ばして、旅行・推し旅を楽しむことにした。
静岡へ
東京から静岡へ「バス」でやってきた。新幹線じゃねぇのかよ!金無いのかよ!というツッコミは受け付けない。図星になるから。
静岡駅周辺でさわやかも食べた。

城があると勝手に思っていた駿府城公園にも行った。

ということで、今回のメインである声優新幹線を楽しむために静岡駅から東海道新幹線へ乗り込もう。

事前準備はしておきたい
「推し旅」の車内限定コンテンツを体験するにあたり、「スマートフォンやタブレット端末などの通信機器」が必要になる。これらがないと車内限定コンテンツを楽しむことはできない。

*ちなみにPCで体験できるかどうかは不明であります。
また、車内限定コンテンツを提供するサービス「Voistock」の会員登録が必要となる。ログインIDやパスワードの登録、加えて一部アンケートを回答する必要がある。動き出した東海道新幹線の車内だとうまく通信できない場合があるので、登録は事前に駅のホームに到着するまでに済ませておきたいところだ。
また今回の声優新幹線を始め、推し旅の車内限定コンテンツはブラウザ(SafariやChromeなど)を通して位置情報を取得→サービス側が新幹線に乗車しているかどうか?を判断する。
TwitterないしXやInstagramといったアプリ内ブラウザを通しての利用はシステム上位置情報を取得することが難しい場合もあるので、事前にブラウザアプリの準備を済ませておくことをおすすめしたい。
乗車して楽しむぜ!
ということで乗車する東海道新幹線が到着。12時25分発の「こだま号」だ。

推し旅を利用する際に自由席・指定席・グリーン車の区別によってコンテンツの差は生じない。好きな席で楽しむことができる。

東海道新幹線は定刻で発車。ゆっくりと東京方面へ発車。

さぁ、発車したからには声優新幹線を楽しもう。ということで、声優新幹線のページ内にある「声優新幹線 the Radioを聴く」ボタンを押す。


すると、画面が推移し「速度測定を開始」というボタンが表示される。

この時点で新幹線は静岡駅の隣駅である東静岡駅付近を走行中だった。しかし、意外にもすんなりと新幹線に乗車していると判定されたようで、

ごらんの通りラジオを聴く画面へ切り替わった。

車内で聴く上坂すみれさんの声を聞きながら、新幹線が突き進んでいく。

もし推しの声優さんが登場する声優新幹線を楽しみたいなら、ノイズキャンセリングイヤホンを利用することを強くおすすめしたい。
新幹線が走行し始めると最新技術の結晶である新幹線と言えど、空気を切り裂くように進むので「ウゴォー!」という音が車内に轟く。折角の推しの声。ノイズに邪魔されたら勿体ない。
AppleのAirPods Proやソニー・BOSEといった各社のノイズキャンセリングイヤホンは声優新幹線を楽しむために開発されたんだ!と思えるぐらいにノイズを減らしてくれる。
ラジオは席の隣に上坂すみれさんが座るという的な感じから始まった。
ノイズがない状態で聴くと、隣から話しかけられている!という気分になった。いやいやすごいな!と思い、隣を見てみると通路の向こうに疲れ果てたサラリーマンしかいなかった。

ラジオは進んで、崎陽軒のシウマイ弁当への強い崇拝ぶりを聞けて畏怖の念を抱いた。
ラジオの時間は1つにつき、約15分程度と見ておくと良いだろう。前編後編と2部に別れていたので、下車する時間を必ず確認してからラジオを聴こう。
しかし、なんで東京〜新横浜間はダメなんだべね?
ではここからは技術的なお話に切り替えていきたい。
前述で「東京〜新横浜間では再生できない」という注意点があった。これはJR東海が長く乗車してほしいから敢えてやってんじゃねぇのか!?と捻くれた見方をしてしまいそうになるが、理由はなぜなのだろうか?
今回の声優新幹線を含め、車内限定コンテンツは「速度測定を行い、東海道新幹線に乗車しているかどうか?」を判断する。
推し旅の質問ページには気になる項目があった。「車内コンテンツはどの区間で利用可能ですか?」という質問。

新大阪から博多間を走行する山陽新幹線や博多から鹿児島中央を走行する九州新幹線では利用できないことが書かれている。これはまぁわかる。その次に「一定の走行速度に達しない区間(東京駅~新横浜駅間など)」と記述されている。
つまり、東京〜新横浜間では規定されている速度より遅いから使えないということになる。
そうなると気になるのが、東京〜新横浜間でなぜ速度を出せていないのだろう?というところ。
色々と調べてみると、東京から新横浜の手前にある多摩川付近までを見てみると、駅間が近いことやカーブが連続していて速度が出せないことが挙げられる。

確かに東京駅を出てすぐ品川駅に到着してしまうし、品川を出たあとも右に左にと線路がカーブする。最終的に多摩川を超えて、マンション街である武蔵小杉付近を通過してやっと200km近くのスピードを出すが、それも数分。
結果として「距離が近く、スピードは出ないし、出てもコンテンツを楽しむ時間がない」から東京〜新横浜駅間は対象外となっているのだろう。
また、前述の質問項目に「ひかり号・こだま号でも利用できるのか?」という質問がある。

内容としては速度に達していれば問題はないそうだ。ただ、前述の速度の問題を鑑みると東京〜新横浜以外にも注意するべきところは熱海〜三島駅間だと思われる。

まず熱海駅付近には大きくカーブしているのがあり、ここでは速度が200km以下に減速される。
また熱海を発車後に総距離7km超えの「丹那トンネル」が待ち構えている。
この区間では携帯電話の電波が通っているのは通っているが、インターネットを通じての位置情報を取得することが確実にできるかどうかは・・・微妙だ。
乗車する機会に周辺の環境がどうなっているのかチェックしてみるのもいいかもしれない。いや、流石にマニアックすぎるか・・・?
楽しみは終わったあとも続くんですね
新幹線は新富士駅を通過。

空は快晴。新幹線は快調に突き進み、新富士駅近くの工場群を見せてくれる。

車内限定コンテンツは一度判定された後は駅到着時や駅間停車があった場合でも新幹線から下車しない限りは楽しむことができるようだ。
ということで、次なる目的地である小田原駅で下車。

前編後編となっていた上坂すみれさんのラジオも聞き終わって大満足。
と、終わりになるところだが、なんと声優新幹線 the Radioを聴いた人限定に「写真付き乗車券風カード」がプレゼントされる。

このカードはファミリーマート・ローソン・ミニストップの各店舗に設置されているマルチコピー機を通してもらうことができる。
しかも無料だ。ラジオを聴いた後、アンケートに答えるとQRコードが表示される。そのQRコードをマルチコピー機にかざすとカードが貰えるという仕組み。
東海道新幹線に乗車した当日限定なので忘れずにもらっておこう!
ちなみにこちらが無料でもらったカード。

カードは光沢があり写真印刷用紙が使われているので、しっかりとしている。いやぁ、こんなの無料で貰えるなんて太っ腹だぁ。と思わずにはいられない。
もし興味のあるアニメやマンガとかあったら推し旅するために東海道新幹線に乗ろうかなぁと、なんだかJR東海の術中にハマってんじゃねぇかな?と薄々思いながら旅を終えたわけだ。

速度について以下のサイト様から参考に致しました。
https://takumick.com/shinkansen285#i-7
https://takumick.com/atami-speeddown