長らく行ってみてぇなぁ・・・と思っていた駅がある。それは本州最南端の駅である串本駅。
理由は単純で「あんな端っこにある駅はどんななんだべか」というところ。そして、
「単純に本州最南端の駅に行ったんやで!」という自慢がしてぇんだ。
そういうことで、今回は本州最南端の駅「串本駅」へ行ってみることにしてみたわけさ。
始発の松坂駅からよろしく
東京→博多を3日間掛けて移動する旅の2日目。東海道新幹線・こだま号を使ったり、
快速みえ号に乗って王道を外したりしたわけだが、
今回は行ってみたかった駅・串本駅へ向かってみよう。1日目の最終地点である松坂駅から出発だ。

松坂駅から乗る列車はというと
5時20分
夕方の列車?いや始発である。この列車に乗らないと次の目的地には行けない。いや厳密には行けるのだけども、到着時点でエライことになるのでこの時間にしているのだ。
人生で初めて松坂駅で一泊したのだが・・・滞在時間は12時間未満。もっと居るべきだったよなぁ!と今では思っている。松坂牛がぁぁあ食いたかったなぁああああ!でも金は無いから結局食えないんだなぁああゝ!
松坂駅はJRと近鉄が共同で運営する駅(共同管理駅と言うらしい)なので、近鉄の券売機とJRの券売機が同じ空間に鎮座している。


改札機もJR側であっても近鉄の改札が用意されている。逆に近鉄側にもJRの改札が用意されている。

ちなみに全ての改札機で交通系ICカードが使えるようになっているが、JR線には乗車できないことになっている。逆に近鉄は全ての駅で使用できる上、クレジットカードのタッチ決済乗車にも対応している。それも全ての駅で使えるんだから凄い差。


今回使用する切符はJR東海が発売している乗り放題きっぷ「夏の乗り放題きっぷ」を使用する。使用条件などは↓のページでご確認頂きたい。
出発
改札の上には発車時刻が。ちなみに近鉄の発車案内は見当たらなかった。

これが最初の相棒だ。朝5時20分発の列車はそのまま和歌山県の新宮駅まで向う。

乗車時間は3時間以上。なんか始発から当たり前のように長時間列車が走ってねぇか・・・?紀勢本線恐るべし・・・!

発車間際になれば車内は混雑するかもなぁ・・・と身構えていたが、津・亀山・四日市方面の列車を待っている人はいれど、新宮行の列車を待っているというのは自分と後はスーツ姿の男性だけだった。

車内に入ると全てのカーテンが降ろされていた。車内に侵入されるのを防ぐため?それとも冷房の関係?気にしすぎなのか・・・誰も答えは教えてはくれない。

この列車はワンマン運転。進行方向一番前の扉から下車、そして1両目の後ろに位置する扉から乗り込んでくる。そういうのも把握しておかないといけないのがワンマン運転の大変なところだ。

松坂駅を出発。とうとう自分とスーツ姿の男性と乗務員さんという3人だけの旅がスタートした。

山々
新宮駅までの道のりは長く、どんな物が待ち受けているのだろうか。車内には誰もいなかったので、折角なので後面展望してみることに。

丁度、カーブの場面。JR東海の普通列車=静岡や名古屋近郊の何やかんや人が多いというイメージがあったが、初めてJR東海が走らせる列車で誰もいねぇ!というのを体験している。そう思うとワクワクが止まらなかった。なんだか見える景色全てが気になってしょうがなかった。
多分、見ようと思えば見れるこんな案内も撮っちゃう。締切中。

自分がいるこの車両は誰も乗ってくることができないし、降りることも出来ない。

列車は次のターミナル駅へ向う。

多気駅へ到着だ。
多気駅
ここ多気駅では松坂駅始発の列車と2両が併結された。合計で4両になりワンマン運転もここで終了。紀勢本線と伊勢市・鳥羽方面へ走る参宮線がここで分岐する。


ホームに降り立ってみるとホームの真ん中は砂利が敷かれているというJR北海道でもそうはしねぇぞ!的なやり方をここで見ることが出来た。
ここ多気駅では朝陽が丁度登ってきたところだった。


いやぁああああああキレイぃぃぃぃ
うるさいですか。すいませんね。いやしかし、この景色はこの3日間の中で一番インパクトのある景色だった。
JR東海の白とオレンジの列車に陽の光がバシッと差し込まれてくるのもたまらんねぇ!

特急列車だったら綺麗な景色ねぇ〜と言って多気駅の存在も知らないままに通過していたはずだ。始発列車で且つ普通列車だからこそ見れた景色だと思えた。

多気駅はかなり大きな駅のようで、乗務員さんだけでなくJR東海の整備関係の人だろうか?忙しなく車両のチェックが行われていた。

ちなみに多気駅は2027年に無人駅となる予定だそうだ。もしかしたらこのような景色が見れるのも最後になってしまう可能性も否めない。

変わる前に見れてよかった・・・と率直に思いたいところだが、時代がもたらす変化というのは寂しさをも連れてきてしまう。そこだけは、勘弁してほしいところだ。

無人駅の繰り返し
多気駅を出発。ここからどんどんと無人駅を渡り歩いていく。

朝陽がもたらす空気というのは、陳腐な表現であるが最高な画にしてくれる。

窓から見える景色、匂いまでもが変化したような気分だ。でもこれを1人で見るのは淋しい限りでありんす。
相と可を合わせて「相可駅・おうか駅」に到着。こちらも無人駅だが、駅前には徒歩1分もしないでしょというぐらいに近いアパートがある。ここにお住まいの方もいらっしゃるようだ。

ワンマン運転が終わり、無人駅でも扉が開く。開いた瞬間に急に世界とつながる感じがするんだけども、そこには人がいないという違和感。それが長い時間続く。でも東京や名古屋の喧騒から離れていることによる興味と違和感と落ち着きがあって苦ではなかった。まぁもしかしたら始まったばかりだからなのかもしれないが。

山には霧が多い被っていたり、

JR東海にもこんな駅があるんですねぇという駅に着いたり、

伊勢柏崎駅では対向車との行き違い待ちをしていて、やってきた列車にはいっぱい人が乗っていることはあっても、


新宮行の列車には乗ってくる人がいなかった。厳密には自分がいる車両には乗ってくる人がいない。

いるのは車掌さんだけだ。
山から海へ
新宮行の列車で見える景色は50%以上が山々の景色だった。厳密に言えば木々が生い茂っている風景。そんなのが続いた。

よくこんな所に線路を通しましたなぁ・・・という思いが続く。
無人駅に到着して人が乗ってこない。

また無人駅に到着して人が乗ってこない・・・これを繰り返していると、

紀伊長島駅で多くの人が乗ってきた。おおぉっ!人がいる!
お前遭難していたんかえってぐらいな思いを抱くほど、久々に多くの人が乗ってきた。
しかしその人達の大半が尾鷲駅で下車していった。

尾鷲駅はGoogleマップを見てみれば、松坂駅を出て南紀と呼ばれる地域へ進む中で最初の大きな街だったのかもしれない。
駅の裏にはコメリがあるしマクドナルドもある。いや、というかそれで大きな街判断するのも失礼極まりないきがするのだが。
その後、順調に新宮駅へ進んでいく。途中途中で見える風景にどこか遠い時間に取り残されたままの掲示物があったりとゆったりとした時間が進んでいく。

新宮駅へ到着
3時間30分以上の長旅。多分、普通列車で且つ長時間の移動では自分史上最長だったと思える。

新宮駅の駅名標のデザイン・色が変化している。ここがJR東海とJR西日本の境目。 JR西日本の管轄の駅となっていて、和歌山方面へ進むと「きのくに線」という名称に変化する。
新宮駅の駅前には「これなら間違わねぇだろ!」と言わんばかりにバカデカ新宮駅の看板が設置されていた。

さて、新宮駅では約40分ほどの乗り換え待ち時間が発生した。

なのでちょいと駅周辺を見て回ることにしてみた。駅周辺には徐福公園というのがあったり、
さらに海辺へ歩いていくと阿須賀神社があったりする。

この阿須賀神社は境内に入っていくと赤と白の色味が空から降ってくる強い陽の光に照らされていて、どこか神秘さを演出していた。地域柄ということもあるからか、非常に厳かな空気が流れていた。
あの空気感は何だろうか・・・ジブリの千と千尋の神隠しや天空の城ラピュタとか紅の豚とかに通ずる張り詰めた感じ。あれが境内流れていると思ってもらえればわかりやすいだろう。
きのくに線
次の列車に乗り込んでいよいよ串本駅へ。

JR東海区間では無いもの扱いだった交通系ICカードも新宮駅からJR西日本方面であれば使用できる。JR東海の夏の乗り放題きっぷは新宮駅で終了。新宮駅から先は、串本駅で下車することもあって紙の乗車券で乗車することにした。というか、そうしないと出費が嵩んじゃうので悪しからずで願いたい。
きのくに線に乗り込んで、紀勢本線で見掛けていた山々の景色から一変し、


海が見えるようになった。海だぁ・・・思わず見惚れてしまうこの景色がたまらなかった。
JR西日本独特の座席と薄くどこまでも伸びていく海面が車窓を彩っていく。

時々、カーブに差し掛かると砂浜が見えたりする。思ったり石がゴロゴロと転がっているもんなんだなぁとここで気づく。
自分が生まれた秋田や現住所の東京近郊とは違い、ここ一帯はどこか澄んでいるものを感じる。なんか見えるものがピカピカ光っているように見えるんだよなぁ・・・不思議である。
ちなみにこのきのくに線は何かやたら鉄道マニアだろうか、味が濃い人が多く乗っていた。中には車内を歩き回るような人が男性1人いてその人は車内に座っている人に躊躇いもなく話しかけてきていた。
自分にも「こんちは!」と明るく話しかけられて、あっどうも〜と難なく答えていた。が、急に男性はドタドタと走り回り、乗っている人たちの手に何かをそっと置いていく。
なんですかこれっ!と置かれた別の男性が声を掛けても、振り返ることなく同じことを繰り返していく。そして自分も写真を撮っている最中に「うん!」と「となりのトトロ」のカンタが傘を差し出すみたいに手を伸ばしてきた。無視を決め込んだら何をされるかわからねぇな・・・と思い、自分はその男性に手のひらを差し出した。
男性は自分の手のひらに何かを置いて、ドタドタと走って戻っていった・・・
手のひらに置かれたものを見てみることに。
キャベツ太郎だった
しかも一粒。食べたか食べていないか・・・それはお読みになっているあなたの感性におまかせしたい。
串本駅
変な人もいるもんだなぁと思っていると、串本駅に到着。

すんごいなんかヌルっと到着してしまった。
ここが和歌山県でJR西日本で近畿地方で本州で最南端の駅となっている。駅の出入り口近くには「本州最南端の串本駅」という碑も用意されているほどだ。

駅近くには大江戸温泉物語といったホテル施設が多く存在し、また観光地もチラホラと用意されているのでタクシー乗り場にはタクシー、更にはバスもかなりの本数がやってきていた。

駅前にはパチンコ屋もある。パチンコ屋ではどこかのコールセンターに電話して「金が出てこんのじゃ!」と関西弁混じりにバカほどに叫んでいた。なんか思ったより人の動きが活発だなぁと率直に思ってしまった。いやどこで思ってんだよって話なんだが。
海へ
串本駅から歩いて5分ぐらいの所に海が見えるスポットがあった。そこは多分だが港として使われているスペースにちょっとした見晴らしの良い高台が用意されているところだった。
暑さ30度以上、観光客も寄り付かなさそうな場所からは

キレイだ。もうそれ意外言葉が浮かばないのだ。
今年の夏は3日間移動し続けるということを思いついた時、色々な不安が過ったりした。
仕事から逃げるために旅行へ行くことへの罪悪感やYouTubeの再生回数は多分確保できないだろうなぁという不確実性、結局誰かがやっていることのなぞりにすぎないのかなぁという独創性の薄さなど。自分勝手に思い悩んでしまったこともあったわけだが、
真正面から夏という景色、見たことがない行ったことがない町の空気を浴びることでその不安感よりもやってきて良かったと心の底から思えた。
自分は辿り着いたことがない場所へ行って、新たなページを作りたい
そう再認識出来た旅だったと思える。なんか格好つけたがそんな思いなのである。

出発しやす
串本駅前には関西で展開されているスーパー「オークワ」もある。
このオークワ、初めてやってきたのだが店内のBGMが妙に耳に残っている。
あなたの街のオークワ〜
いやこれ毎日聞いている店員さん大変よ!と思いつつ、色々と商品を買い込んでたりした。
さて串本駅到着したばかりだが・・・もう出発する。えっ!もう出るの!?と思われるかもしれないが、欲しかったのは
本州最南端の駅に行ったという称号なのである
あと重要なのはここから博多へ向うことだ。とは言いつつ、確実に観光したほうが・・・良いよねぇ・・・
なんか今回の旅は新たな景色を見れて楽しいんだが、すぐに過ぎ去ることばかりしているなぁ・・・またやってくることがあれば来たいものだ。

さて次の列車は紀伊勝浦・和歌山方面へ。「特急くろしお」に乗車しよう。

